9 君と歩く、ひぐらしの帰り道

『シャンシャンシャンシャン』

ひぐらしの大合唱が降り注ぐ帰り道。君が少し前にいる。

いつもだったら並んで歩くけど、今日は違う。


「君が、好きです。」


一歩踏み出した。踏み出してしまった。


「ごめんね。」


分かっていた。

『シャンシャンシャン』

ひぐらしなんて、嫌いだ。

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