🔮パープル式部一代記・第五十一話
〈 時系列は、おいでませの夜遅くに戻る 〉
「ああいうガキには序列を分からせた方が早いんだよ……」
「内親王にガキって……それに序列……お前、ただ女房のくせに……」
「これがあるからね……」
「そうだ! 日記! 日記書いてくれた!?」
「また今度ね……忙しいんだよ。内親王ってば平仮名の“あ”の字も書けないんだよ……大変なんだよこれが……特別手当増やしてくれ……」
「しかたねーな……青菜でいい?」
「もう、青菜はお腹いっぱい。あのさ、今度でいいからさ餅にきな粉と蜂蜜かけた菓子とやらをくれない? よく分からないんだけど、
「分かった……でも、反物が欲しいなんて珍しいな?」
「ちょっとね……」
***
そして道長にもらった臨時収入で、
「
「え? でも、母君の装束を先に……」
「いいんだよ。わたしは、てきとうにするから……いまからあつらえれば、冬には間にあうだろうから……寒さを甘く見てはならんぞ? わたしの兄はそれで命を落とした……」
「…………」
そんな、もっともなことを言っていた
が、なにせ、この後宮で頂点を争う趣味のよさを誇る「大納言・ポンパドゥール」や「
(三連星仲間? は、この場合あてにならなかったのである)
とぼしい知識を、娘で増やそうと言う魂胆である。
***
一方の反物をもらった
そして話を聞いた大納言の君の姉妹も、「まあ……自分よりも娘のために……」「そうよね、
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