🔮パープル式部一代記・第三十一話
付け加えると、帝が悩んでいたその日、中宮・
「う――ん、殿が足しげく通っているとは言うけれど、これはないわね! 殿がおっしゃっていた源氏物語の執筆を
「母君、お顔が安定しておりませんけれど、いかがなされました……?」
「えっ!? そ、そう!? い、いえ、大丈夫、大丈夫でございます……中宮さまに、ご心配をおかけするなどと、とんでもない……それよりも今日は女房たちに、歌合せでもさせて……」そんなことを言いながら檜扇で顔を隠した隙間から、じっと、和泉式部をガン見していた。
『なんでしょうこの視線……』
そして、その日の夜もすっかり更けた頃であった。
ネタをさあ……あっち、(源氏物語)に書いて表ざたにしてもいいんだけどさ……」そんなことを言いながら、例の「
「お、恐ろしい……なんて、恐ろしい女……」
和泉式部はそんなことを思いながらもなんとか、「
「お任せください
まあ、たとえ寝過ごしたとしても、彼女は中宮さまの従妹であり、女院さまのお気に入り、誰もとやかく言えない立場であった。彼女は、すぐそばの小さい影に優しい声をかける。
「
「はあ……」
そんなことを言われた
「あらあら、なんて可愛らしい……」
***
〈 時系列は、
その日、ドヤ少納言こと清少納言は、彼女には似合わぬ……そう、かつて、ゆかりであったときの
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