🔮パープル式部一代記・第二十四話
『
お元気でいらっしゃいますか? お身体の調子はいかがですか? こうして離れておりますと、お傷の具合が心配でなりません。
藤壺に出仕してからは特に、
明日は、
それでは、お身体にはお気をつけて……かしこ
妻より
***
「えっ!?」
数年前に盗賊に襲われた古傷がすっかり癒えた、名儒と呼ばれる優れた学者にして
彼は、
そして、道長とも懇意の中であったので、妻の出仕にも大賛成ではあったが、その妻からの気遣いの
「どうかなさいました?」
「あ、いえいえ別に……」
「???」
***
「この子はわたしの娘!」
「いやいやわたしの娘!」
そんな風に、妻の母が離婚して再婚して……そんな微妙な時期に妻を出産してしまったので、少し父親問題が持ち上がったのであったが、これがまた、「おっとりとして優雅で愛らしく照り輝くような愛嬌を持つ存在」生まれ落ちた瞬間からそんなとても素晴らしい存在であったため、父親候補? が裁判沙汰を起こしてしまう程の実に素晴らしい人柄であったが、夫はそれゆえにいまここに深い悩みを抱えたのであった。
「
彼は、
「確かに才はあるけれど……聞こえてくるウワサが……いや、まあ、でも道長さまと中宮さまのお気に入りだから、まあ大目に! とにかく最大限大風呂敷を広げて、よしとして……清少納言! ドヤ少納言はまずい! ドヤだけは! 我が家の運命が傾くどころか倒れてぺちゃんこになってしまう!
「
「申し訳ない! ちょっと内裏に行って参ります!」
「え? 今日の仕事……
「いま、
「ないない、あのノンビリした人が走るなんて……」
「だよね――あ、よかったら帰りはうちに飲みにこない? いい酒が手に入ってさ」
「え? いいの!?」
「
「…………」
心配そうな
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