病の記憶

一閃

第1話

・星月夜病室窓辺に虫骸

・極月に痛いと泣いてもがらんどう

・救われて逝けぬ理由わけ訊く冬隣

・生か死か薄氷うすらい踏み行く賭け人生

も冴ゆる祈りにも似た「朝は来る」

・自死すらもめんどくさく太宰忌迎う

・十字架か手首に残る管の跡

・がむしゃらに知らぬが仏生きる意味

・杖ついて桜蕊さくらしべ降る道に泣く

・杖の音響かす畏怖の施餓鬼寺

・杖を持つ傾く片肩凍雨落ち

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病の記憶 一閃 @tdngai1

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