【ASMR】夢見るクーデレ姫さまは、俺にだけ『ふしだら』が止まらない!?
タイフーンの目
Chapter1
【注】第3回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト エントリー作品です。簡単なシーン説明の他は、ヒロインのセリフのみで進行していきます。
――――――――――
@王宮の広間、厳かな雰囲気。
@近衛騎士(=あなた)の叙任式。
――カツカツ
革靴が広間を進む音。
王女シノアが、透き通った、冷たく事務的な口調で言う。
「――あなたを、私の近衛騎士に任じます。
王国随一と
以後は、私のためだけに捧げると誓いますか?
……よいでしょう。
これであなたは、私、王女・シノアの近衛騎士です。
@王宮の回廊
叙任式が終わり、前を歩く姫に付き従う。
呆れた様子のシノアが、冷めた声のまま言う。
「……まったく。
まさか本当にあなたが選ばれるなんて。
騎士を目指していたとは聞いていましたが、
私の近衛騎士になること、あなたが希望したのだとか。
なぜですか?
え?
『私への恩返し』
ですか?
――あのようなものは、ただの気まぐれです。
道端にあなたが行き倒れていたのを、馬車の窓から見かけて。
見殺しにするなど、王女としての
ただそれだけのことです。
……しかし、早いものですね。
当時、あなたも私も7歳でしたね。
あれからもう十年も経つのですか――。
あなたは騎士見習いとしてメキメキと腕を伸ばし、
とうとう近衛騎士にまで。
そして私もつい先日、この『王女のしるし』……
婚礼を控えた王女にだけ授けられる、
銀のティアラを
あのときには、思いも寄りませんでしたね――」
やや懐かしむように言うが、すぐに硬い声に戻り、
「コホン……。
よいですか。
くれぐれも、私情など挟まぬよう。
あなたはただの近衛騎士。
そして私は、一国の王女。
恩返しなども不要です。
あなたは、私の身辺警護だけをしていればよいのです。
無駄話もこれが最後。
王女と騎士。
以後、不要な会話は慎むように――」
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