才能と志望が不一致な小野寺勇吾のしょーもない苦難7 -15少年少女の不本意で不慣れな空宙航行奮闘記-
赤城 努
第1話 序章
「ぐおおおおおおおおおっ!
「半刻前まで晴天じゃったんに、ないごてこげん天気に急変せたんじゃぁっ!?」
弟を飛空宙艇内に引き入れた
「今は原因なんてどうだっていいっ! 急いで飛空宙艇の操船ギアプを
副長の
「――点呼を取るぞ! 船内に乗り込んでいるなら大声でもテレ通でも何でもいいから返事するんだ!
「はいっ!」
「
「はっ――キャッ! 荷物がっ!」
「
(――いるわ――)
「
「おるでっ!」
「
「いるニャ! あと
「
「わんっ!」
「
(――ここだ。
「よしっ! あとは――」
「アタシたちもいるわっ!」
「……
身長差と体格差のある二人の女子の姿を、
「――これで全員か?」
誰となく確認の問いをかける。
「――はい、そうみたいです」
「……そうか、乗り遅れた者は無しか……」
(――十五人だったからね。出航までにこの
「――
(――先生は
「……ワイらはこの『エアーストリーム』でしか避難でけへんかったってわけか、
(……状況的に厳しかったからね……)
「――やむを得ない」
「――ちょっと待って」
「……それじゃ、あたしたちはこの
(……
「そんニャァァァァァァ!!」
「なんてことワァァァァァァァン!!」
それを聞いた
「――帰るってどうやってよっ!? ――ってそもそも帰れるの!? この
帰還の手段と疑問を大声で呈する
「……往復できた
(――それは大丈夫よ――)
それを払拭したのは
(――国防空軍の依頼で、あたしたち
(――「あたしたち」ではない。「オレだけ」だろうが――)
(――とにかく、少なくても、本国がある陽月系浮遊群島の公転外周までは航行可能だ。本国の位置や方位も三次元型立体コンパスでわかっている――)
(――『エアーストリーム』専用の操船ギアプもあるから、素人のあたしたちでも何とかなるわ――)
「……ほんのこてどないかなると思っちょるでごわすか?」
「――どないかなるわけなかに決まっちょるやろっ!?」
応えた
「――こん
「……そ、そないなこと
「せからしいっ! 納得でくっかぁっ!」
「そっちこそうるさいわねェ。いい加減認めなさいっ!」
「――ああ見えても先日の兵科合同演習じゃ、
「――
船長の席に着座している
だが、それを聞いた瞬間、
なぜなら、ポニー型ツインテールの髪型、童顔の容姿、舌足らずな言動、甲高い声質、小学生高学年なみの低身長が、だれよりも幼く見える童女だからである。しかも、この十五人のグループの中では、月単位で数えれば最年長者なのである。
「――さぁ、行くでち。本国に帰還すべく」
いまだ激しく揺れる船内で立ち上がった
『…………………………………………………………………………………………………………』
……
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