第7話
美香ちゃんは、ほとんど病気らしい病気もせずに、平穏無事にすくすく育ってきた「猫生」でしたが、それでも多少の紆余曲折はあった。事故もままありました。
すごく仔猫の時分に、ボクが常用していた睡眠薬のカケラを舐めてしまったことがある。ああいう脳の中枢に作用する薬は、猫にも同様の作用を及ぼすらしくて、グッタリして、昏睡状態に陥って、危篤かな?みたいになった。
母と二人で見守りながら、あまりにもちっちゃな仔猫だったから、半ばあきらめていたんですが、しばらくすると、なんとなく恢復してきて、結局事なきを得ました。
その後も、この睡眠薬の事故は一回あって、今度はもうほとんど成猫だったが、 なんだか凶暴な野生の虎みたいに変貌してしまい、普段はおとなしすぎるような猫ちゃんなので、心底驚いて、恐怖した。
台所の一角に、立てこもるような感じになって、ゆっくりと行ったり来たりしつつ、近づくとうなって威嚇する。急にエクソシストという映画の中の悪霊がとりついた人みたいになって、(古いけどw)喧嘩の時以外に猫がそんなになったのはボクも初めて見たので、慄然として、心底怖かった。が、それも、薬が切れるまでだいぶんかかったが、結局治りました。
何か舐めたりして具合が悪くなるというのは最近はありませんが、慣れないからか当初たまにあった。
で、ボクは、父の頃(代?)から、石井普雄という人の、「エスパー本」(詳しく知りたい人は検索してください)、所持しているだけで不思議な八次元パワーで奇跡的にご加護される、というありがたい本なのですが、これをいつもお守りに持っていて、たくさん集めていた。
美香ちゃんの病気の時には、 藁にもすがる感じで、この本を背中においてあげていたりした。
で、だいたい、僕自身にもなんとなく霊力の作用で、不幸から守られるという自覚もあるが、なんか美香ちゃんには特にこの本がよく効果発揮するのです。
劇的に作用する、というような趣きすらある。
具合悪くなるとだから、この本を4,5冊体中にあてておいてあげて、と、あにはからんや分ならずしてコロッと快癒する。
なんかいつもキツネにつままれたような不思議な、眉唾な話ですが、嘘偽りないホントの話なのです。
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