第2話
家じゅう隅々まで探索して…我が家はわりと広くて、二階家に7間。しかも部屋も大きい。美香ちゃんが探索しつくして、くつろいで寝る体勢に入るまでかなり時間がかかったように記憶している。
その探検行?は、もしかしたら2,3日か、もっとかかったかも。猫は自分の匂いをつけるために耳の下のあたりをこすりつけるが、そういうマーキングを家の行動範囲全部にして回ったのだと思う。
その頃は、美香ちゃんは全身がエネルギーの塊、という感じに元気が有り余っていて、ボクが廊下で立っていると、ビヨーンビヨーンとすごい勢いでジャンプしてじゃれかかってきたものです。その口角の上がった感じの笑い顔?が目に浮かぶ。偶然ちょうどそういう感じの写真がちょうど残っているので、近況に載せておきます。
その元気の余波が、不幸なことに、まもなく我が家の壁、ふすま、障子、柱などに深刻な被害を及ぼし始めた。
カーテンに登るというのはよくあるらしいですが、のみならず障子やらふすまやら木と紙でできたあらゆる屋内の構成物は、程なくして、ことごとくに美香ちゃんの鋭い爪と牙の犠牲となって、ズタズタボロボロになってしまったのです。
仔猫が一匹でこんなに徹底的に障子の桟の枡目全部にことごとく大きな穴をあけるとは…と、信じられないくらいにうちに来はじめ、最初の頃の美香ちゃんの元気さは尋常でなかった。extraordinary、だった。
色々調べると、「アメショーの雌は元気で顎が強い」ということがわかった。さもありなん、の既定路線だったのである。で、12年たつが、いまだに貼り換えないので、うちの障子もふすまもずっとズダボロのままである。
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