まだ眠っているきみへ
九十九空間
まだ眠っているきみへ
「何回だって言うよ、世界は美しいよ」
(羊文学「光るとき」)
九月、未明の町は
ひんやりとして
青いベールに覆われている
ずっと乗っていなかった
自転車のタイヤに
空気を入れて近所を走った
空気を入れたばかりのタイヤは
硬く弾むから
足に余計、力が入る
鳥のさえずり
川面が
夜明け前だけ反射する光
まだ星の残った空
朝の予感にふれるより早く、僕は、
恋していた
僕は、きみに恋をしていた
まだ眠っているきみへ 九十九空間 @99_spaces
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます