思ひ出
天川裕司
思ひ出
タイトル:思ひ出
俺はこれまでに、何人かの女と付き合ってきた。
それぞれの彼女に思い出がある。
まぁこれは誰でも同じことだろう。
初めに付き合った直美とは、いろんな場所へ行った。
あいつはレジャーが好きで、そのスポットの灯りに
照らされたあいつの顔は本当に輝いていた。
直美のことを思うとき、
まず思い出すのはあいつの顔だ。綺麗な横顔。
次に付き合った美智香は、本当に美肌なやつだった。
特に腕自慢とも言うべく、
しなやかに伸びたその両腕は
ラメでも入ってるかのように美しかった。
あいつを思う時、まず思い出すのはその両腕。
次に付き合った佳代子は、足が綺麗だった。
美脚と言うのはあいつの為にあるような言葉で、
そのカモシカのような足で街を闊歩してたっけ。
あいつを思う時、まず思い出すのはその両足。
次に付き合ったアメリカ生まれのシェリーは、
本当に胸が綺麗だった。
豊満なバストを自慢していた彼女の横で、
俺はいつも笑いながら話を聞いていたっけ。
あいつを思う時、まず思い出すのはその両胸。
次に付き合ったヒトミはその名前の通り、
本当に瞳が美しい子だった。
あんな瞳で見つめられたら何も言えなくなる、
と言うのはあながち冗談でもなく、
本当にあの両眼に吸い込まれそうな
そんな感覚を、何度か味わったものだ。
あいつを思う時、まず思い出すのはその両の瞳。
次に付き合った美奈は、
とにかく髪が美しい女だった。
あいつを思う時、まず思い出すのは
そよ風に吹かれながら、光がその上に輪を作る
天使のようなあいつの姿。
出来ればまた会いたいと思うが、
もうみんな遠い思い出になってしまった。
もう会うことは出来ないのだ。
でも俺は、その思い出たちと
今でも会うことができる。本当に感謝な事。
「さて、また彼女たちに会いに行こうかな♪」
そして俺はクローゼットをゆっくり開けて、
彼女たちとの思い出に浸っていった。
ここまでのシナリオを書いて手をとめ、
少し思い当たる節があったので、
パソコンのファイルを覗いてみた。
そこには今まで書いた
シナリオの全部が保存されている。
すると…
「なぁんだよ〜これ前に書いてたやつじゃん!」
以前に同じようなシナリオを既に書いていた俺。
「はぁ〜あ、そっかそっか♪どうりでなんかそんな気もしたんだよなぁ〜」
そして俺はとりあえず
気分転換をしようとコーヒーを飲み、
椅子から立ってクローゼットへ行く。
そしてクローゼットを開け、
「お前たち〜、前に書いてたんだよあれ♪それならそうと先に言ってくれよな〜!って無理かwお前たち喋れないんだもんな」
そしてまたパソコン前の椅子に戻って、
次の新しいシナリオの草案に取り掛かる俺だった。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=FE4FPvRLwMw
思ひ出 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます