地獄の殺し屋
@raizekusu
第1話 地獄落ち
物静かな部屋で金属同士が擦れる音がする。
桐山「もうこれで終わりにしよう」
そう言った俺の手には丁度今自分を殺す準備が出来た拳銃が握られている。
──今まで数え切れないくらい殺してきたんだからこんな事思っちゃいけないかもしれない、殺してきた人間や遺族の方々には到底許せることじゃないだろう、でも最後くらい地獄の閻魔様くらいなら多少は許しちゃくれないかな?
桐山「普通に生きたかったな」
最後に聞いたのは耳に染み付く程聞き慣れた発砲音だった。
/
ほぼ同時刻地獄にて
獄卒「閻魔大王様、つい先程桐山の魂が地獄に入りました」
閻魔大王「そうか、報告ご苦労桐山の元へは私が直々に出向くお前は持ち場へ戻れ」
獄卒「承知いたしました」
/
同時刻地獄の入口周辺
──ん…あれ?俺銃で自分の頭を打ったはずじゃ…
桐山「はっ!」
急激に意識が覚醒し目覚めた桐山の目に衝撃の光景が映る。
──俺は死んだはずじゃ?というかここどこだ?少なくとも俺の知ってるような世界じゃ無いよな…
死んだはずなのに意識がある事と起きてすぐに目についた明らかに異質な景色によって桐山は完全にパニックに陥っていた。
そんな中桐山に声をかける1人の少女が居た。
閻魔大王「探したぞお前が桐山だな?突然だがお前に話が…」
話しきる前に桐山が距離を取って臨戦態勢に入る。
桐山「何者だ?それ以上近寄るなら死なない程度に攻撃するぞ?」
閻魔大王「落ち着け、私はお前に依頼をしに来ただけだ」
桐山「依頼?」
閻魔大王「あぁ、だがお前の様子じゃ話はまだ難しそうだな」
閻魔大王「よっこらせっと…」
少女がその場に座る。
桐山「何のつもりだ?」
閻魔大王「お前が落ち着くまでここで待つことにする」
桐山「だったら手を後ろに回して俺に背中を向けてくれ」
閻魔大王「分かったよ」
/
閻魔大王「落ち着いたか?」
桐山「まぁ少しは、敵意を向けて悪かったな」
閻魔大王「構わん、地獄に来た人間は大体そんな反応をするものだ」
桐山「へ?地獄?」
閻魔大王「ん?あぁすまない、まだ言っていなかったな」
閻魔大王「改めて、地獄へようこそ桐山智和」
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