現代ファンタジー

@erhngi

第1話

あなたは幼い頃、お母さんのことを間違えて先生と呼んだことはないだろうか


「きたる、9月8日、第一回おじいちゃん万博が開催されます!皆さん奮ってお越しください!」

ついに待ちに待った日が来た。生きとし生けるもの、その全てが待ち望んだ老人達に向けた老人による老人の為の祭典。


おじいちゃん万博!


ある初老の男はこの宣言に涙を流した。


ある70代の女性は問いを投げた。

「おばあちゃんは、おばあちゃんは参加出来ませんか?」


「いいえ!そんなことはありませんよ!今回、最大の目玉として名画、最後の婆さんをご用意致しております!」

主宰は力強く言いきった。その言葉の勢いに、近くで風に舞うスーパーの袋は吹き飛んだ!



…いや、さすがにそれは言い過ぎた。さすがにそこまでは無いがとにかくそれくらいの力強さで言い切ったのである。


だいたいこの主宰の男はいつも強引にことを運んでしまう。

「ところで例のアプリの開発は進んでいるのか?」

この台詞は僕が定時で帰宅の準備をしている時に発せられた言葉である。

「ゴリラランド3ですか?それなら今、鋭意開発中でして…」

ゴリラランドというアプリはわが社を支えてきた柱であり社運を賭けた一大プロジェクトである。

1、2とナンバリングが進む毎に売上も右肩上がりに伸び続け3にも大きな期待が寄せられていた。

その期待が膨らみ過ぎて某掲示板で争いが起き死傷者27名を出した。曰く付きのタイトルでもある。


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