掌編「遠隔ウソ発見器!」
「じゃーんっっ、【新型ウソ発見器】が完成しました! 前回よりもさらにパワーアップしてますよおっ!」
「新型、ということは発見の精度が上がったのか? それとも追加機能があるのか?」
「追加です! 遠隔で、人のウソを発見することができます。つまりテレビの向こう側のスターたちのウソも分かってしまうということです!!」
それは……。機能としては凄いと思うが、テレビの中の人間のウソまで分かる、というのは相性が悪過ぎる。
「ではでは、早速試してみます……あれ? ずっとウソを発見したアラートが鳴ってますけど……もう故障ですか!? それとも不具合が!?」
「いいや正常だ。ウソ発見器はちゃんとウソを発見している。……ちなみに、そのウソ発見器はウソの『程度』を計測することはできるのか? たとえば話の中の一部でウソをついている場合もアラートが鳴るとか」
「ウソをついていればアラートは鳴るので……少しのウソが混ざれば対象です」
「なら相性がすこぶる悪いな。テレビの中の人間は清廉潔白じゃない。そもそも番組がウソを混ぜて成り立っているようなものだ。ワイドショーだってそうだ。記者会見なんて理論武装にウソが多分に含まれているしな。本当のことも言っているが、ウソも多い。一部のウソで反応するならテレビに出ている全員に反応するぞ?」
「えぇ!? じゃあ機械が反応しない人は逆にいないってことじゃあ……」
「いや、天気予報のお姉さんはウソを言っていないんじゃないか?」
天気予報については事実だけを述べているだろうが。
ただしお姉さんのプロフィールに身長体重の差があれば、ウソ発見器は反応するだろうけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます