第四話 その力絶大に―朱雀

なんだあの姿は―。

さっきまでとは明らかに違う。姿も戦い方までも….。姿を変えることで、戦い方を変えるタイプだというのか?その種類にもよるが少しばかりやっかいな相手だ。さらに、飛行能力も得て機動力も増しているようだ。

だが、驚異的というほどではない。初撃のように全くの無傷というのであれば、どうにもならなかったが。今、奴はこちらの攻撃を避けている。つまり、ダメージを食らうということだ。加えて奴は力をまだ使いこなせていないように見える。

ならば、経験の差で奴を塵にすることなど造作もない。


スカー・ブルート「どうやら飛行能力に加え、遠距離での攻撃もできるのだな。見たこのない魔法だが、そんなことは関係ない。所詮、虫けらがいくら変わろうが我に勝つことなど不可能なのだからな!」


スカー・ブルート「暗き雷に身を焦がせ 影の雷撃シャドウボルト


黒い雷が神に降り注ぐ、機動力を活かしそれを縫うように躱していく。


スカー・ブルート「ちょこまかと逃げても無駄だぁ!!闇刃の舞ナイトシザーズ!!」


更に黒い刃で神の逃げ道を塞いでいく。


神「火炎星嵐かえんせいらん!」


神の翼から火球が無数に飛散し、闇刃の舞の黒い刃を打ち落としていく。


こざかしい真似を、ならばこれでどうだ!


スカー・ブルート「闇刃の舞ナイトシザーズ!シャドーボール!」


更に無数の黒い刃とシャドーボールで神に追い打ちをかける。


神「炎翼旋風えんよくせんぷう!!!」


体を回転させ炎の翼ですべての黒い刃とシャドーボールを薙ぎ払ったか、だが、動きが止まっておるぞ!!


スカー・ブルート「黒き光で滅するがいい 闇滅光ダークネスレイ


黒い閃光がビームのように神に放たれる。


神「豪炎弾ごうえんだん


すぐさま神は豪炎弾を放った。闇滅光と豪炎弾のぶつかり合った。

しかし、スカー・ブルートの放った闇滅光は豪炎弾に飲み込まれていってしまう。


な、どういうことだ!?我が闇の最上位魔法 闇滅光ダークネスレイが……!ま、まずい…防御を……。


スカー・ブルート「ぐ、ぐぉおあああああぁぁ!!!」


我が闇滅光を飲み込み威力を増していたか、予想以上にダメージを受けてしまった。くっ…奴はどこだ…?


空を見上げると神は炎を集中させている。


神「紅蓮疾風ぐれんしっぷう


集中し溜めた炎を身に纏い突撃してくる。


スカー・ブルート「な、なめるなあああぁぁ!!」


スカー・ブルート「黒焰の剣ダークフレイムソード


刃が禍々しい黒い焔で覆われた剣を闇魔法で取り出す。

突っ込んできた神を紙一重で躱し、すれ違いざまに片翼を切り落とした。


スカー・ブルート「我に黒焰の剣コイツまで出させるとわな」


神はスカー・ブルートの剣を見て、その切れ味、秘められた強大な力を察知した。

一息つき、そして新たな力を解放する―。

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