元魔王に恋するモブオタ貴族

@den8

始まり

その魔王は静かな田舎の村に突然現れた

高さ7m程、下半身は地中にあるのか見当たらない　

魔王の魔気に引き寄せられた異形のものが集まってゆく

しばらくは動く事もなくジッと村を見ていた魔王だったが突如

「アババギバギバババ」

と声をあげて近くの物を掴みあげガブリと食べた

「アバババババギバギバギ！」

楽しそうに笑顔を貼り付けたまま周りの物をなぎ倒し魔物も人間も動物も岩も木も食べ尽くしていく

近くにあった小さな山さえも食べながらとにかく進む姿に命からがら逃げ出したんだと

これがなんとか逃げおおせた村人が王都で報告した内容であった

王はすぐに軍を編成、出陣させたが兵器も兵も大半が喰われてしまった

「大隊長、一旦退きましょう」

大隊長と呼ばれた30代の髭の男は大きな刀を肩に担いで大きくなった魔王を見上げる

退いたところでこのままいけばこいつは星を食い尽くすのではないか

「ゴルダ大隊長！！」

俺の右腕はうるさいな

「よし。お前が隊をまとめてとにかく退けるところまで退け」

そういうとゴルダは大きく右に走り見えなくなった

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい