うちは転校生~うちのこと女子だと思ってほしい~ロンドンからパリの小学校に!~きみとの女子的でフランス的そして宇宙的な癒しの時空間

ヤッキムン

葉月さんのうしろの席に

 葉月さんのうしろの席になった、うち。今日は転校初日。ロンドンからパリの小学校に転校して来た。

「はじめまして~。よろしくね、葉月さん」

「よろしくね、白熊さん」


「会っていちばんに言っておくけど...うちのこと、女子だと思ってね~」

「あ、うんっ、わかった~」


「あ、わかってくれた~?」

「だって女子なんだもんね~」


「そうなの...」

「じゃあ、女子どうしのお友達で」


「ありがとね~」

「だって女子なんでしょ~!いいわよ~」


「めっちゃうれしいわ~」

「あはは」



 わたし、休み時間に、白熊さんを女子洗面所に連れて行ってあげた。

 「白熊さんは女子なんだから、こっちを使ってね」

 「ありがとうだわ〜、葉月さん」

 白熊さんといっしょに女子洗面所に入る。


 そして、白熊さん、パンツ姿だったから

 「白熊さん、スカート持ってるの?」

って聞いてみた。


 「ううん、まだ持ってない」

 「じゃあ、購買のほうに行ってみよう」

 白熊さんの手を引っ張って購買部に連れて行く。


 「制服のスカートは支給されるはずだから」

 わたしは購買部のお姉さんに、白熊さんのスカートもらえるかどうか、たずねてみた。


 白熊さんもスカート1枚もらえた。


 それから、白熊さんを女子更衣室まで連れて行く。

 「白熊さんは女子なんだから、ここで着替えてね」

 「うん、メルシーボークー葉月さん」


 白熊さんは、さっそくスカートに着替えてた。


 「かわいい。めっちゃ似合ってる〜白熊さん」

 「ほんと〜?!良かった〜」



 小学3年生まではロンドンに住んでた、うち。

 4年生になって、パリに来た。

 同じクラスに、日本人の女の子もいた。

 髪の毛の長くて、ツヤツヤきらきらしてる女の子。

 その子をひと目見て

 「いいな〜、髪の毛きれいで!」

って思った。

 その子の、うしろの席になった、うち。


 パパは美術の先生。美術学校で美術を教えながら、自分でも絵を描いたりしてる。

 ママはウェディングの仕事。ドレスを創ったり、結婚式のお手伝い。

 ふたりとも日本人。ロンドンの美術学校の先生をしてたパパ。今回、パリの美術学校の先生になることになって、パリに来た。 

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