第4話 いつからここに?
「あーそうだ、提出しなきゃいけない書類があったんだった…」
仕事用に使っているカバンの中から提出しなければいけない書類を探す。
書類はファイルに入れたので、すぐに見つかると思っていたが、いくらカバンの中を漁っても肝心の書類が入っているファイルが出てこない。
「まさか…家に置き忘れたか?可能性があるとすれば…玄関…か?」
顔から滝のように冷や汗が出る。これはヤバい!
すると、カバンの奥の方から「ザザザッ」という奇妙な物音が聞こえる。
再び、カバンを見ると「アイツ」がファイルを隠し持っていた。
「お前が書類ファイルを持っていたからどーりで見つからないワケだ!早くそのファイルを渡して!」
とぬいぐるみの「アイツ」にお願いするも頑なに書類ファイルを渡してくれない。
「くれぐれも会社とかにくっついて来るなよ!」とか言ったからたぶん、「アイツ」拗ねて反抗しているのだろう。喋れない分、こうやって「反抗」という「意思表示」をするしか方法がないのだろうと思われる。
「…大人しくしてくれよな!勝手に出歩くとかするなよ?いろいろ面倒になるから…」
アイツに注意喚起を促すが、たぶん聞いていない。「ぬいぐるみ」として同僚に目撃されるくらいなら「間違えて持ってきちゃったんだ!」と誤魔化せるが、アイツが勝手に出歩いたりするとそれはそれでうまくは誤魔化せないと思う。説明しても信じてもらえないだろうし。
そして、案の上バレる。幸い、アイツは忠告を守ってくれたのか、ジッとして動かないでいてくれたので、騒ぎにはならなかった。
まあ、業務上で必要ではないでしょう?と怒られてはしまったが…
ちなみに、提出の書類は怒られた後にちゃんと渡せました。タイミング最悪だけど…
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