蛇の死体が消えた

@mana1020

第1話 こわくない

蛇の死体が消えた


「おまもり。後で返してくれれば良いから。少なくてごめんね」

スマホの充電が少なかった。

スマホの充電が少ないと、自分の充電まで少なくなった気になる。そうして、朝の自分は少し気性が荒くなる。

勿論、そのスマホを使って、何か自分がやりたいことをするわけではないのだ。

ただ単に、スマホの充電が切れてしまうと、学校で私は使い物にならなくなる。

友だち、後輩からの連絡は見れず、仕事が進まない。

仕事、って、文化祭の準備や、先生とのお話の件である。私は生徒会長なので、皆の連絡を随時見ることができなくてどうする。そういう責任は、これでも常々感じている。

母が追いかけてきて貸してくれたモバジュウの充電も少なかったが、私はそれを持って、ふてくされて学校へ行った。


行きたくはないのだが、今日は学校で私がやらなくてはいけないことがあり、行かなくてはいけないのだ。

かなり遅刻ぎりぎりの、人でぎゅうぎゅうの電車に乗り、バスに乗る…そうこうしているうちに、私は汗だくになった。

夏は好きだけど、夏にいるのは好きでない。

けどまあきっと、今日のプールに入るときのシャワーで流れていくだろう、と思いながら汗をふいた。

正直言って、連日続いて、死にたくなっていた。

なるだけで、自ら死にはしないと決めているのだけれど。縁起でもないことをいうのは、良くないと分かっているのだけれど。

でも時間もなく、やっとできた時間で大好きだったはずの絵を描いているときも、勉強しなくて良いのかな、とか、私がそうこうしているうちにもみんなは頭がよくなっていってしまう、模試の結果…、ああ…とか思ってしまって、結局自分を落ち着けるには、勉強をするかしかないのだ。半分、勉強依存症だった。泣きそうになりながら、自分でがりがり身を削っていく。

私の内側でただ悲痛にある、叫ぶことすら耐えているこの塊を、どうすれば満足させられるのだろうとずっと考えていた。

何か一つ格言を残し、それを己の規則として、ずっとそれに従えば良いと思って、「悩みを消すために必要なのは解決方法ではなく、もっと大きな悩みだ」という結果を出した。

なぜこんなふざけた格言が生まれたかって、そういう日々がここ数日続いていたからだ。

そう思わないとやっていられなかったのだ。

などと、私は連日綿を触っても怪我をするくらいの弱い心を抱え、悩んでいた。

今日から甲子園への野球が始まって、公欠で休む人たちがクラスにも多く、ぼつぼつと教室には十個ほど席の穴があいていた。非日常は、悪くない。少しだけ、学校に来ると学校に来てよかったと思う。

きっと、毎日を同じ日の繰り返しにしないために学校に言っているのだと思っている。

だけど、実をいうと、いや実をいうと、というか、私の周りにいる人たちは結構知ってしまっているのだが、私は生徒会長でありながら、この学校がしぬほど大嫌いだった。

怪物が出てきて校舎ごと丸のみにしてほしいと思うくらいには。そしてあわよくば私のことも喰らってほしいと思うくらいには。

休む時間すらなく、ずっとあくせくぼろぼろになるまで部活と勉強。この高校を選んだのが自分でなければ、私は既に人を一人殺しているかもしれない。

そんな強い心もないから、私は一人で沈みきり、泣いているのだけれど。

プールに入り、暑さがふっとんだかと思うと、すぐに授業が始まる。100M個人メドレーは、一昨日泳いだけれど全身の疲労が酷いので、今日はやらなかった。タイムもはからず、水上バレーをして今日のプールは終わったのだった。こんなに毎日地球が沸騰しているので、体育でプールを選択する人はもっと多くても良いと思うのだが、私たちは男女たった八人で、広く、いやに深いプールで、泳ぐのだった。


学校の終わりに、バス停に並んでいた。時間はもう六時だった。日は長いが、岡の上にある校舎から見える空は紫とも水色ともオレンジともいえない色をして、暗くなる準備を始めている。放課後は、生徒会でやることを終えてから友だちと別れるといつもこれくらいの時間だ。

家に帰るまでには一時間かかる。

バックの中の水にぬれた水着とタオルが、パソコンが、その他たくさんが、私の背に重くのしかかってきていた。この子たちも、家に持って帰ってやらないといけない。一緒に帰ろう。仕方ないから。

私の他には、いつも通り誰も並んでいなかったので、バス停の椅子にそれらをどん、と置くと、

ふと、映画にいこう、と思った。今日。今から。


ずっと行きたかった作品の再上映なのだ。

一度見たことがあるものである。

子どものころから好きだったものだ。

だけれど、ずっと好きだったって、忘れていた。

好きな気持ちは、身に感じないとすぐにかすれて忘れて行ってしまう。くだらない日常にかき消されてしまう。

私は先週、友だちに一緒にこの映画見にいこう、と誘ったけれど、その映画の内容が内容なので、一緒に来てはくれなかった。その日私はずっとしょぼくれていた。そういうのって、言葉で書くと普通のことだけど、実際言われると結構哀しいし心にくる。

一昨日までそのことで悩んでいたけれど、もう消えたいとおもっていたけれど、今はむしろ少し清々しくさえあり、今日は一人でも良いな、と思った。

一人でいるのは全く好きじゃなくて、誰かと常に一緒にいないと安心できないたちなのだが、一度一人で特別な映画を見に行ったとき、少し心地よかったのもあって、別にいいや、今行こう。と思った。

だって、半年くらい前から行きたかったのに、もう明日で上映が終ってしまうものだった。

でも、心は揺れていて、ぎりぎりまで、どうしよう、行ってよいものか、と一人でバス停で考えあぐねていた。

充電の少ないスマホで上映時間を調べると、どこもかしこももう終っていて、ああ、やばい、と思った。

私はなんでも、期間限定で果たせなかったことに関しては何年も後悔して面倒くさく一人でなやむのだ。昔行けなかったライブとか、少し高い値段の雑誌についている付録とか。欲しいのに買うほどでもないだろう、と思ていると、そういう小さなものが結構未来の自分への呪いだったりする。

私が行かなくてどうする?

私のための救済措置じゃないか。

そうだな。一人大会議をして、結局行くことにした。

私は、ずっとそれを見たかったのだが、なんせ一話三十分のアニメを数話集めて映画風にしたものだったから、家で見るとそれはキリがない。上映してくれて本当に良かった。映画一本分くらいで終ってもらわないと困る。私は、暇は嫌いだけど、時間がないのだった。


学校と家の間にある、横浜の映画館。バスを途中で降り、そこから時間に間に合うよう、ダッシュした。部活は文化部だが走るのは嫌いではない。重い荷物さえなければだが!

はぁはぁ。汗とプールの水でぐちょぐちょだったが、今は自分が森林を駆けるオオカミになった気分だ!


なんとか時間内に映画館についた。薄暗くポップコーンの匂いの漂うところで、私はこれから上映される映画のポスターなどを横目に見ながら、急いでシアターに入った。

スマホの充電だけでなく、お金もあまり持っていなかったので、ポップコーンは買わないことにした。集中して見れない、というのは言い訳ではない。

平日夜の映画館は、とにかく人が少ない。

土日の喧騒が嘘みたいだ。店員さんたちもゆるい。チケットを買い、私は映画館に滑り込んだ。

観客は私の他に数名いて、皆、私に見えた。少しいやだ。


映画がはじまると、皆ぼろぼろ泣き始めた。強く共感する。

私も泣いたけれど、私が心にくるところは、他の人たちが泣いているところとは違うところで、でも確かに皆泣いているから面白い。

映画が始まってから約二時間、本当に大変だった。どこぞのジェットコースターよりも私の心を嵐のようにかき乱していく。

人の感情が高ぶる瞬間というのは、泣くものだと思っていたが、違ったみたいだ。

途中から寒くも無いのに私は鳥肌は止まらず、呼吸は詰まって苦しくて仕方がなかった。心臓が締め付けられたのだった。

ずっと、この映画館にいたいと思った。

永遠とその映画の続きが流れて、私も永遠と座っていられる腰を持っていて、時間もあって、室温もこれくらいで、時間は永久に続いていて、そこにいたかった。

その永久の時間に、隣の席には、誰かが座っていても、誰も座っていなくてもいい。

たまに大切な人や中学のころの友人が来て、一緒に泣いてくれたって良い。私と泣くところが違くても、私は嫌いになったりしないから。


映画の終了時間は、私に現実への帰還を促していた。

現実。

私にとってそれは、学校、という言葉でことたりる。辛い。ただそれだけの日常が、また始まるのだ。私の中の塊は、また喘ぎだすかのように思えた。

だが、予想外のことが起きた。

私の内側にあったあの、塊は、ほくそえんでいた。

「もう満足した」と、低く言った。

あああなた、そんな声だったの。そんな美しい、楽しい声をしていたの。

今までのようにその塊が身を重くすることはないから、身体が軽い。

私は、長いことこんなに『良い』作品を見ていなかった。

私はもうずっと昔に、そう、子どものころにこの作品に出会ってしまっていたから、もうずっと長い間多くの作品に失望し、ケチをつけ、他の感動する人を白い目で見て、人間は嫌いだなんだと、のたまっていたのだろうとすら思わせる完璧な作品だった。

私にしかこの感情はわかるまい、と思った。

わかられてたまるか。


帰り、私は放心状態だった。

初めて、映画へのひたむきな、なんと言葉にしてよいのか分からない感情の心からパンフレットを買って帰ろう、と思った。しかし、何度も言うが内容が内容なので少し店員の若いお兄さんに言いにくい。言いにくいよ。

映画館の外の沢山の専門店は閉まっていて、シャッターが降りていた。天窓からは夜が見え、店内の明かりもぼんやりとしている。

飲食店の奥からは、カチャカチャと食器を片づける音がするばかりだ。

早く家に帰らないとな。

帰らなければ夜は深まり、危なくなる一方だ、明日は単語テストだし、と思うのだが、パンフレットを買いたい。お金ない。とまた会議が行われる。

いいよ、私は毎日頑張っている。

一度映画館のある三階からエスカレーターを降り、一階についてから、もう一度買おうか、買うまいか、と財布を確認しながら考えた。

けっこう長い間、夜の暗闇の中で唸っていた。

イルミネーションの噴水が電気の光を発しており、私の思考するお供になってくれた。

買っても、家に帰ったらそれを読む時間なんてないし、読んでいる時間そのものに罪悪感を感じるのであれば、本当に作品に申し訳ないから、やめようか…。

だがおそらく、買うか買わないか迷ってエスカレータを夜九時に上り下りしている人間は、早く買って帰ったほうが良いのだろう。

私はそんな儀式を終え、ぱんぱんのリュックから非常用の千円を取り出すと、買うと決めた。

私は店員のお兄さんが酷い人だったらどうしよう、とかあれこれ考えたけれど、そんなことはなかった。


私の手には、今日生きていた証がある。

私は、久しぶりに生きていて良かったと思えたのだ。


そして、これ以上生きては、私はどうなってしまうのだろう、とも。

電車に乗って、家の最寄りの、小さくて古い駅に帰る。

けっこう遅い時間だから誰も電車に乗ってないんじゃないか、座ってパンフ読めるんじゃないか、などと思っていたが、疲れた大人たちはかなり多くいて、私はおとなしく電車の揺れを感じながら彼らの隣にちょこん、と腰かけさせていただいた。(正直いってリュックのでかさのせいでちょこん、ではなく濁点がついていただろう。)


私は電車を降りた。

ああ、今この場でパンフレットを読まないと、家で読むことになる、と思った。

家で、そんな時間があるのか?

公園で読むか?いや、暗くて読めない…明かりが欲しい。そう、明かりがほしい。

そして小さくて暗くて良いから、部屋がほしい。くまが冬眠するような、居心地のよさそうな、洞穴のような場所が、ほしい。

そんなことを思いながら、駅の近くのジムから漏れる光を浴びて歩いていた。

その時だった。

ふっ、と視界の下に黒い影が現れ、ぎょっとして避けると、それは小さな蛇だった。もう死んでしまっているのか、ぐったりとしている。

私はあまりにぎょっとして、こけそうになった。

蛇が嫌いだけど、可哀そうに思えた。

ひかれてしまったのだろうか。

道路にいるのも、どうしようもない、と思って、埋めてお墓でも作ってあげようかな、と。

ふと空を見上げた。


線路の向こう、あかりの漏れるビルの上に、大きな黒い影が空を覆いつくしていた。それを呆然と見つめているのは、私だけだった気もする。誰も、気が付いていない。それほどまでに、夜に溶けあう、大きな、大きな………

そう、私には、大きな、大きな、蛇に見えた。

「………」

蛇は沈黙していた。

けれど、私は、この蛇は大きさからして、人を簡単に沢山食べるだろう、と思った。

少しだけ、それは恐ろしい。

だけど、私の身体はかってに動いた。

「他の人を食べるつもりなら、その前に私を食べて!」

と云った。馬鹿げている。けど、真摯に言った。

蛇は、こちらをぎょろりと見ると、長い舌を口からだした。

赤い舌は長く、動きはのろいけれどすぐに私の目の前を覆った。

肩からリュックが落ちる。身体が軽くなって、私は今にも飛び上がりそうになった。

手には、今日を生きた証がある。

ねえ塊、どきどきするね。

どきどきスル。スゴクわくわく。

死んじゃうのかな。どきどきするね。ちょっとこわいね。

そうだネエ。でもサ、あれダヨネ。


私と、そしてその周りにいた大人たちも、ぐるんと一巻きにして、蛇は上品に、ごくんと食べてしまった。


これが今日で良かったって、多分言いたかったんだろう。


どろどろ、どろどろ。

ぐらぐら、ぐらぐら。

眼を開けると、そこはまさに、私が先ほど望んでいた場所であった。小さくて暗くて、くまが冬眠するような、居心地のよい(?)、洞穴のような、場所……。

あの大きな蛇の、胃袋の中だ…私は気を失っていたようだ。

どろどろとした感触がして、一緒に飲み込まれた大人たちが、もうとけてしまっているのに気が付いた。

でも、気のせいか、大人たちは、普段街で見るよりもずっと安らかな表情をして、胃液に飲まれている。

私は、靴の乗っている場所を見ると、それは誰かの背中だった。

「あ」

声を上げても、少しも響かない。

小さくて暗くて、くまが冬眠するような、居心地のよい、洞穴のような、場所。

足りないものが、あるとすれば。

明かりだ。

もしかして、と思って、私は充電の数パーセント残ったスマホを見つけ、ライトで中を照らした。

大人たちは、確かに私の下にしかいない。

壁や、床の胃液から、私をまるで庇うような姿勢でいるのだ。

はっとした。庇うように、じゃない。本当に彼らは、私を庇ってくれたんだ。

私の下で、腕や背を組んで、足場を作ってくれているように、見えた。失神している私だけを、残してくれたとしか思えない構造だった。そうでなければ、私はとうに溶けてしまっているはずだ。もう死んでしまっているはずだ。ぬれているのは髪の毛や、手先だけ。

思わず涙がこぼれそうになった。

「あっ」

映画のパンフレットが無事なのを確認して、大切に抱きしめた。

もう、抱きしめられない私の命の恩人たち。もう、誰にも抱きしめられない恩人たち。私は彼らの代わりに抱きしめているつもりで、ありがとう、と小さく言った。

恩人たちは、ここから私が生き残れるとは、さすがにおもっていなかっただろうな。

私も、思っていない。

だけど、今の私に必要だったのは、これから先長く続く人生ではなかった。

ただの、短くてかけがえのない、人生最期の数分間だった。

私は、ライトを付けたままのスマホの画面を天井の肉片にべたっ、とくっつけ、胃の中を照らした。

狭いが、頭から天井までは高さが少しあって、私が体育座りできるくらいだった。


驚くくらい、静かだ。

私の浅い呼吸の音しか聞こえない。

蛇も眠っているみたい。消化機能は、止まらないけれど、少しは緩んでくれていそうだ。

いつもの、学校の自習時間や、バスの中の、声の大きい人達のどうでもいいけど聞いちゃう話声。いつでも少し気になる、集中を望む精神を妨げるそういうものが、ここには一切、ほんとうに一切、なかった。

私は、パンフレットが胃液に濡れてしまわないように気を付けながら座る位置を少し良いカンジに変えた。

よし。

表紙を数秒眺めてから、最初のページをめくった。

新品の、まだよごれていない紙はすべすべで素晴らしい。

私は夢中になって、眺めた。ただそこに広がる美しい原画や、言葉たちを、嚙み締めた。

素敵な時間だ。

ずっと欲しかったのは、こういう時間だったのだ。

うん、きっとそうだ。

ページをめくる。

どうして頬が濡れたのかわからなかった。

全然泣くところじゃないのに。

わけも分からず涙が溢れる、とはこういうことなのだろう。


スマホの充電が減っていく。

私は確認しない。ライトの明かりがだんだん暗くなっていく。

ページをめくる。

私は笑った。

これを、今この瞬間に読んでいる人がどれくらいいるだろう。いたとして、一緒に泣いてくれはしないよね。

ページをめくる。

さっきまで読めていた字は、暗さでもうほとんど読めなくなってきた。

でも、丁度いい。

ページをめくる。

その手を早めることはない。ちゃんと読んで、めくる。

大丈夫、私には時間があるのだから。

ああ、買ってよかったな…。

今日を生きることができてよかったな。

幸せってなんだろう、ってママに聞いたら、「死ぬ直前に、生きていたことこそが幸せだったって気づくよ」って、絶対映画の受け売りみたいなこと言われたのを思い出した。

……どうでもいいや。私はページをめくる。

ページをめくる。

ページをめくる。

ページをめくる。

ページをめくる。

ページをめくる。

 ページをめくる。

ページをめくる。


ページをめくる。

    ページをめくる。

ページをめくる。

 ページをめくる。

ページをめくる。

    ページをめくる。

ページをめくる。

          ページをめくる。

  ページをめくる。

                ページをめくる。


「生きていて良かった」

私の声に、答える人はいない。

「もし生まれていなかったら、私はあの映画見れなかった」

噛み締めながらそう声に出してみた。

心臓の鼓動が弱くなる。

「ああ、モバジュウ返さないとなぁ……」

この世界への別れの言葉がそれでいいのか、と思ったら、少しだけ笑みも漏れる。

ママにありがとうって言いたい。普通の人なら、もっと先に両親のことを思い出して、大好きだったって伝えるんだろうなあ。

もし、たとえ少ない充電でも、モバジュウが無かったら、私はここでパンフレットを読むことが出来なかった。

こんなに満たされる気持ちになることがなかった。

生まれることすらできなかった。

でも、今はどれだけ私がそう思っても、伝わらない。


第一、充電がないから何も伝えられない。何も。

私は溶けた大人たちにずるずると、もたれかかった。


私は道端で死んでいた、あの小さな蛇を思い出していた。



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