麗しきミス青蘭
女の子のスカートが風に吹かれてパンツが見える確率はどれくらいだろう。
そして、そこに遭遇する確率もかけてみる。待て、俺はかがんでいた。そんなシチュエーションもかけていいじゃないか?
それが美少女である確率は?
一千万分の一だな(適当)。宝くじの当選確率と同じなわけだ。今日、日本で俺と同じ体験をした者はあと何人いる?一人、多くて二人。
俺は今日、日本一ラッキーな男と呼べるだろう。これが普通の美少女だったらの話だ。
パンツ→顔の順番で視線を上げるのは自然な流れ。パッと目を引いたのがパンツであって、次に確認するのはそれが誰か、ということになる。それだけだ。
同じクラスの「
なんでも、「
「見たよね」
「見たというか、視界に入った、が正しいな。無意識だからあまり気にするな」
「気にするわよ!じゃあ、見たのね」
「いや、安心してほしい。「麗しきミス青蘭」が意外と薄紫色が好き、なんてことは誰にも言わない。言わないというか、俺にはそういうことで盛り上がるような友達はいない」
「な……しっかり見とうし!」
「そりゃそうだろ、普段から目にしないものが目の前にあったら自然と気になるだろ?」
「ふ……普通じゃないってことだよね。こんな色が好きなんて!」
「――?別に何色が好きでもいいんじゃないか?「薄紫のパンツの女」なんてゴロゴロいるだろ。知らんけど」
「――ちょ、ちょっと、言い方!変なあだ名みたいに言わないでよ!アナタのことは知らないけど……ここに居るってことは、1年生?背は高いけど、こっちの校舎にいるってことはそうだよね!」
「知らないとはヒドいな。同じクラスの
「おお、同じクラス!ほほ、本当に!?ここ、1年の校舎なんだけど」
「動揺し過ぎだろ……2年が1年の校舎に来ちゃいけない校則はないし、俺がどこで何しようが勝手だろ。お前のほうこそ、こんなところで何やってるんだ。お前には昼休み一緒に行動する友達くらい腐るほどいるだろ」
「わわ、わたしは散策……じゃなくて、飲み物でも買いに来ただけで……」
「飲み物は2年校舎にもあるだろ……ん?お前まさか……」
「――!な……何よ」
「「いろはす巨峰」を買いに来たな!どんだけ紫が好きなんだ。2年校舎にはないもんな」
「そ……そうなのよ!やっぱり「いろはす」は巨峰が1番よね!なんたって紫だから……ってうるさいわね!」
「クク、
「――な!騙したの!?」
「お前が先にな」
「アナタって……とんでもない人……」
「お前は、ずいぶん噂とは違うんだな。見た目は噂通りだが、性格がちょっとバカっぽ……じゃなくて、素はこうなのか?」
俺が何気にそう言うと、八蓮花はハッとした表情で俯いた。不思議に思ったが、俺は気にせず「いろはす塩とレモン」を口にする。
「守日出くんですね。顔を覚えていなくてすみません。1年間同じクラスのようなので、よろしくお願いします。では、失礼します」
「お……おう」
は?なんだ急に……キャラ変か?……まぁ、環境が変わって、おしとやかな雰囲気を作るなんてよくあることか。たしか……八蓮花は、福岡から引っ越して来たって聞いたな。噂で。
高校デビューみたいな感じで頑張ってたんだな。俺も似たようなもんだし。こんな田舎に来たんだ、人間関係がリセットされれば、誰だって次はこうしようなんて考えたりするもんだ。
でもまぁ、同じクラスだからといって今後俺が関わることはないだろうな。「
そう思い、次の日の放課後……事件が起きた。
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