北の虹風🌈学ぶ学校百年の想い~時空を超えたみょんちゃん校長、北の大地の母になる~

根⛵九里尾

1 プロローグ


『只今より、虹ヶ丘にじがおか小学校、開校百周年記念式典を始めます』


 ふぁー、やっと始まったな。ぼくは、中村太郎なかむらたろう、小学校四年だよ。もちろん、虹ヶ丘小学校の児童さ。

 今日は、日曜日だって言うのに朝から町の文化会館に集められて、式典に参加してるんだ。全校児童五百人ぐらいかな? とにかくいっぱいの子供といっぱいのお客さんがここにいるんだ。昨日は、学校の体育館で総練習をやったけど、ぼくの出番はほとんどないから、退屈なんだよね。

 ま、黙って座ってて、最後の校歌さえ歌えば、紅白饅頭がもらえるっていうんだ。因みに、ぼくは饅頭大好きだよ。


 ふぁああーー。


「ねえ、太郎君、欠伸する時は、手で隠しなさいよね!」

「う、うん……」


 隣に座っているしーちゃんに怒られちゃった。ちゃっ、しーちゃんだって、眠そうにしてるじゃないか。ハンカチで口を隠してるけど、きっと欠伸してんだぜ!



『百周年記念式典運営委員長の挨拶…………お願いいたします』

『……えー、本日は開校百周年おめでとうございます……・・・・・・・』



 ああ、確かあのおじさん、PTA会長さんだったかな。運動会の時も挨拶してたな。長いんだよな~

 ふぁあー、眠くなっちゃうよ、まったく。



『……………………来賓祝辞……………………』







「……太郎君! 太郎君! 歌よ! 起きて!」

「……あ、ああ、あ!」


 ぼくは、つい目を瞑っちゃってたんだ。なんだか、もう式典は終盤になって、ぼく達の最大の出番、校歌を歌う時になってた。

 横のしーちゃんが、起こしてくれたから、なんとかなった。



 でも、百周年か……十月一日……本当だったら今日が開校記念日で学校はお休みなんだけどなあー。

うちの虹小にじしょうも、おじいさんなのかなあ~。あ、いや、初代校長は女の人だって聞いたことがあるから、おばあちゃんなのかな?




(つづく)

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