第12詩 【夕映え】


風が吹くと


草がなびき


遠くの穏やかな声が


珠(たま)になって小さくなって


巨きな木の茂みの中に


いくつもぶら下がる



それは今日のように朱色に染まった彼方の空に


桃色の光の放散を


ふんわり含んだ光玉だ



牛がのんびりと草を食み


巨石は夕陽を受けて


威厳で満ちている



風が


誰も彼も愉しくするようだ



陽が沈む間に


みんなは


懐かしい夕陽に包まれた



こんな夕陽に僕らは飲まれて


陽の眠るように


気持ちが静かだ



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