私は彼の よりどころ

@monokuro_02

第1話 中学生の僕

「世の中の大抵の人間は、陰と陽の2極で分けることができる。

大人になったらそれほど重要視されることではないのかもしれないが、学生の身分の間はこれがすごく重要で、学内でのヒエラルキーを表しているものだといっても過言ではない。


陰側の人間は陽側の人間におびえ何も言いたいことを言えず、それを見た陽側の人間は自分の方が優位に立っていると勘違いをする。実際に社会全体から見てみれば、学生なんて子供というちっぽけな存在というくくりでしかないのに、どうして優劣をつけたがるのだろう。時にはそれが行き過ぎたものになり、いじめに発展したりもする。


私はこれについて考える時、どうして平等な立場で互いを尊重し、理解しあえることができないのかと考える。

そして、最近行きついた答えがある。それは、「世の中の陽の人間が“悪”である」ということだ。」


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「はい。これは没収ね。」

この言葉が聞こえたと同時に、僕の目の前にあった原稿が取り上げられた。

机から視線を上げると、にこにことした女性の先生の姿があった。しかし、この笑顔は何かいろんな意味を含んでいる作り顔だと悟った。

「国語の時間だからってバレないとでも思ったの?授業終わったら先生のところに来なさいね」

周りからは、「またあいつ言われてる」だの「問題児」だの僕を嘲笑するような眼差しを向けられる。

しかしこうなったからにはどうすることもできないので、おとなしく授業を終わるのを待つことにした。


授業が終わり、先生のところに向かう僕を、周りのやつらはばかにするような目で僕を見る。

「これ預からせてもらうから、放課後先生のところに来なさい。」

「ちょっ…先生!? 返して…」

「今は返しません!返してほしかったらちゃんと放課後取りに来るように!いいわね?」

「はい…。」

ショックを受けている僕を見るなり、周りのやつらは水を得た魚のように、よりわいわい騒ぎ立て始めた。


中学生が終わろうとしている2月某日、もうこのような視線も慣れたようなものだ。

みんな陰キャで根暗な僕を見下して、笑っている。


だから僕は陽キャが大っ嫌いだ。

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