歴史から考える主権を捨てた国ニッポン

歴史文芸部

導入

 「おそらく日本は天恵を受けた国、地上のパラダイスであろう。人間が欲しいというものが何でも、この幸せな国に集まっている」

 これは幕末に日本に訪れた、ドイツ商人リュードルフの言葉である。

 同様に、江戸時代や幕末前後に日本へやってきた外国人も皆、日本人の幸福度の高さに驚いていたことが書物として残っている。

 対して今はどうであろうか。世界幸福度ランキング(2024)では51位(G7で最下位)、自分で国や社会を変えられると答えた人は約18%(日本財団調べ)で調査された6か国の中でダントツの最下位であった。地上のパラダイス日本は、今や不幸な国になってしまった。

 その原因は、日本国民に主権が無いからだ。具体的に言うと、「国民が“主権を捨てている”事によって、国民の為の政治が行われていないこと」が原因である。

 最も直近で行われた国政選挙である参議院選挙(令和4年7月)の投票率は52.05%であり、地方選挙になるとさらに投票率は低くなる。

 つまり、半数の日本国民が投票に行っていない。主権とは“国を統治する権力”の事。投票に行って主権を行使しないということは、主権を捨てているのと同義である。

 主権を持たないとどうなるのか。

結論から言うと、国民が奴隷にされるのだ。なぜなら、国民が投票に行かないと相対的に組織票の力が強くなってしまうからだ。

 組織票とは、企業団体献金をしているような利益団体などが特定の候補者の推薦を行っている場合に、その団体の所属メンバーが当該候補者に対して組織的に投票する票のこと。当然利益団体なのだから、見返りを求める。

 結果、彼らの為だけの政治が行われてしまう。なぜなら、“政治屋さん”たちは次また当選することしか考えていないから。

 その結果、国民の為に使われるはずの金が一部の人間の下に流れ、国民はいつしか資本家や大企業に金を貢ぐために働かされる存在になってしまうのだ。その状態をまさに奴隷と言うのだろう。

 そして、その裏でいつもちゃっかり利益を得ている存在、それが外国勢力だ。

 外国勢力はどのような手口で国益を奪ってくるのか、またどう国益を守れば良いのか。

 その鍵は、大航海時代ごろからの歴史にある。歴史という過去の膨大なデータから、日本の現状とそうなってしまった原因を考えてみよう。

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