第2話

この会社のセキュリティーは社長が考案したらしい。夜廊下に行くとスピーカーから

デン! デン! デンデンデン デン デンデン テレレ〜

と「ミッションイン◯ッシブル」のテーマが流れていて色付きライトの赤外線センサーが あったりする。

玄関といいかなり疲れてくるセンスだ。

 実際秘書もこの社長に手を焼いていて、数年前のピークには

13人もの秘書が心労で倒れたそうだ。

 秘書の親族が怒りに燃えて会社を襲った時は責任をとって幹事(保護者)

が軒並み辞職したそうだ。

 記者会見

「この度は社長(息子)がご迷惑を…」

…心中お察しします。

そして社長。あんたは小学生か。


 一方その頃

「社長、このセキュリティーやめた方がいいかと…」

「素晴らしい鉄壁のシステムじゃないか。」

「いえ、そのオーダーメイドの費用やら電気代やら何やらが経営を圧迫しておりま」

「防犯のためなら良いじゃないかそれくらい」

「せめて夜に赤いライトで建物をライトアップしたりミッションイン◯ッシブル

 のテーマを流すのをやめてほしいのですが。」

「秘密結社みたいで良いじゃないか。」

「防犯に関係ないでしょう。それにハッキリ言ってかなりダサいです。そんなのだから

我が社の防犯部門の利益が少なくなってしまうんです!」

「フッ、わかってないね君は。いつの時代も遊び心は大事な物だよ。」

「……(ブチッ)もう着いていけません!辞めます!」

「あっ…ちょっと!おーい!冗談、冗談だから〜!」

声は社長室に虚しく響いた。



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