最終話

翌日。




電車に乗った。


彼がいてアイコンタクトで笑っている。


私はラッシュの電車の中何とか彼に近づいた。そして手紙を渡した。


彼は驚いてる様子だった。


私の手紙の最後の一文に「私たちの筆談ノートを持ちませんか?」と記した。


彼は「手紙呼んでいい?」というジェスチャーをしたから私は「うん」と応えた。


すると彼が「筆談ノートいいね!」という表情したから、私たちは一冊の筆談ノートを用意する約束していつものように別れた。










数か月後。




彼との筆談ノートも一冊じゃ足りなく三冊目になっていた。


私は電車も毎朝彼と途中まで通学する日々。


私と彼はずいぶん仲良くなったけれど、彼の家には電話がない。


寂しいとき彼の吐息の音でも聴きたいけど、それは無理。


彼には少し話していたけど、私は彼との付き合いをクリスマスまでって決めていた。


それは彼の事が嫌いになったんじゃない。むしろ逆だ。春から就職が決まってるし、なにかとやることがある。


最初馴染めないだろう。そして彼とも会えなくなるだろう。


私が落ちついて大人の女性になるまでこの筆談ノートは私の宝物。


そんな筆談ノートも書けるスペースもないくらいにお互い話した。












12月のクリスマス。




私は彼に遊園地に行かないか?と誘われてスケート場がある遊園地に来ていた。


ふたりでアイススケートをやって、転んで、笑って。


なんだかそんな日常が愛おしい。


彼に会って当たり前の事が当たり前じゃないと思わされたし、


あの電車に乗っててくれて本当にありがとう。


彼への思いはきっと「愛」だと思う。


心読めた時の恋愛なんかより、こっちの方が何十倍と面白い。


もう筆談ノートはもう書ける所がほとんどない。






「私の事どう思ってる?」






すると彼が手袋を外して筆談ノートに相合傘のマークを描いた。


そこに私の名前をのジエスチャーをしたから私はそこに名前を書いた。


隣に彼も名前を書いた。






そしてふたりで笑った。


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GiFT~神様がくれた時間~ 寅次郎 @jkrowling

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