第7話

翌日。




寝坊してしまいいつもより二つ遅い電車に乗った。あの人はいないだろうと諦めてたら、なんといたのだ!


私はこれを偶然と思わず、必然だと思った。息を整えながら近づいていく。そして相手が気づいた時に笑みを浮かべて




「最近よく会いますね!」




と言ってみた・・・




が、またお辞儀だけされて今度は逃げられた。


私は愕然とした。ここまでに恥をかかされた事が過去の恋愛ではなかったから。


こんな男性過去にいなかった。


ってか普通いないでしょ。私は不機嫌なまま学校へ行った。








学校に着いてもなんだかわかんないこの感情。


マリが「どうしたの~?」と言いながら近づいてきたから、さっき起きた事を事細かく説明した。




「なにかあるね、その人」




マリが言った。




「でもフラれたようなものだからいいわ」




私は強がった。




「ここまで恥かかされたの初めてだよ」




「そりゃそうだろうね」




「あーなんかスカっとしたい」




「ゲーセンのパンチングマシンでもやってかえろうかな?」








なんかこの日はショックから授業が頭に入らなかった。それはいつもの事だけど。


あまりに辛いから体調が悪いと言って早退した。泣きたいような感情で悲しい。


自分を全否定されたような気分だ。恋愛は難しいと言う人がいるが、その点私は心が読めちゃうから、


恋愛は難しいというか、恋愛がなかなか出来ないって言葉に近い。










最寄り駅のゲーセン。




本当にパンチングマシンをするさちえ。


的をめがけてパンチする。


普段やらないから右手が痛かった。


それにナンパしてくるうっとしいグループがいたから、そそくさと帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る