『短歌の秋』投稿作品~種々色々、朱色の感情~

尾岡れき@猫部

灼きついた 焔に触れて 微笑んで 汝に刻む 緋色の誓い

きついた


ほむられて


微笑ほほえんで


なんじきざ


緋色ひいろちか




________________



燃やす。

消す。

存在意義と問われたら、妾の定義は、きっとそれじゃ。

疎まれている。

それも、よく分かっておる。


真反対の水色。

あやつが、愛されていることを知っておる。


汝の寵愛が、水色にあることも。

だから、解せぬのよ。


妾のこなんか、とっとと消せば良いのに。

お前が、妾を消さぬのが。


活用できるということなのか。

有用と捉えたのか。

妾には分からん。


水色を引き戻すためとはいえ、業火の妾を抱きしめたお主の行動原理も含め、まったく理解し難いが――。


汝に生かされた。

それは、理解する。


愚かよのぉ。

妾は、燻る焔のように。

酸素を求めるように

貪欲に汝を求めるぞ?


協調も共生もしてやらん。

汝がそれでも良いと言うのなら――。








「緋色、ひなたを頼んだよ」





妾に託すのなら。代償を覚悟せよ。









――水色、お前が憎んだ世界を妾が焼こう。





【緋色】

限りなく水色に近い緋色

https://kakuyomu.jp/works/1681733065620292459


ヒロイン、宗方のもう一つの人格で

発火能力パイロキネシスの根幹。普段は、宗方ひならの遺伝子の海ゲノム・エリアで眠っている。



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