廃都市にて
狐伯
1、水没した都市
地球の支配者、いや、〝旧支配者〟と言った方が適切かもしれない。かつて栄華を極めた人間という生物は前触れもなく支配者の座から脱落した。森林伐採、大気汚染、水質汚染。上げ始めたらきりがない。こんな感じに地球のことなど考えず、自分勝手な行動をし続けた。これが脱落の最大の理由と言えよう。楽しみ、喜び、怒り、焦り。そんな人間の思いが入り混じりながらともに大きくなっていった都市。その大部分が水没。かつて人間が支配していた場所の支配者は自然となった。人間が支配者の座から脱落したこと。人間にとっては最大の苦痛であり悲しみであろうが、自然はただただ自分勝手だった人間に報復したのみ。人間がいなくなり水没した都市に夕日が沈んでゆく。光は水面に反射し、魚たちは夕日の中を悠々と泳いでいく。その様子は何にたとえようがない程美しかった。
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