沖縄娘と一週間宿泊生活!〜沖縄を満喫しながら、イチャイチャしちゃう話〜

米太郎

第1話 空港

(空港の発着を知らせる音声が流れる。)


SE:キャリーバックを転がす音。


「あーっ、来ました来ました! お待ちしていましたよー。ようこそ沖縄へ。めんそーれー!」(遠くから呼びかける)


SE:近づいてくる足音。


「ふふ。反応に困らないでくださいませー? 『めんそーれ』っていうのは、沖縄の方言で『ようこそ』っていう意味ですよ?」


「めんそーれって言われたら、元気よく『はいさーい』って返してくれたらいいですよ? 『はいさい』は、沖縄の方言で『こんにちは』っていう意味です」


(反応を待つように、少し間をあける。)


「はい。それで良いです。よくできました! ふふ。久しぶりだねー! また少し、大きくなったねー!」(近づいてきて、身長を計るような距離でのセリフ)


「えー、何ですかその顔? 変な奴に絡まれちゃったみたいな顔して。あれ? もしかして私の顔忘れちゃったの? そんな状態で受け答えしてるなんて、君ってば根っからのジゴロ……」


「い、いえいえ、こちらの話なんで、気にしないでください」



「今回、沖縄を案内して欲しいって依頼をもらった葉月です! よろしくね!」(元気良く爽やかに)


「すごい変わったから、わからなかったって?……というか、かと思っていた?」


「はーーーーーっ!? 私のこと、ずっとかと思っていたのーー!!?」(大きい声)



「くぁーーー……。まったく君は、どこまでボケてるのか……。まぁいいわ」(驚い気付呆れる)



「私がだとしても、一緒に沖縄見て回るでしょ?」


「メールで連絡していた通り、ホテルは一部屋しか取っていないからね?」


「……そうか。もしかして、お兄ちゃんだと思っていたから、あんなに積極的だったのか……。『俺たちの仲なら、部屋なんて一緒でいいじゃん』って……」


「まぁいいわ。気を取り直して、『お姉ちゃん』として、私が沖縄を案内するからね!」


SE:歩き出す音。

SE:キャリーバックを転がす音。


「なんで、気づかないかなー。前にあった時の君はね、私のことを『はーちゃん待ってよー』なんて言って、ついて来てたんだよ?」


「『ちゃん』って呼んでおいて、お兄ちゃんって思ってたのか、はぁ……。え、そんな昔のことは覚えてないって? 私だけが覚えてるのかな? あんなに楽しかったのに」


「どんなことしてたかって言ったらさ、一緒にお風呂に入って身体を洗いっこしたり、一緒に手をつないで寝たり。その時も、胸の含みだってあったと思うんだけどなー。私が女だって気付くチャンスは、いっぱいあったはずなんだけどな。前にも同じやり取りしてたと思うんだけども、何にも覚えてないんですね。はーちゃん、ショックです」(少し落ち込む)


「まぁしょうがない! そんなことも含めて諸々思い出させてあげるよ!」


「どうするかって言ったら、また同じことしていけば、嫌でも思い出すんじゃないかな? ふふ」


「まぁ、このまま空港で話しても長くなっちゃうから、積もる話は夜にでも話そうね!」


SEの歩く音が止む。


「えー、ではでは。こほん!」(咳払いをする声。)


「気を取り直して。今日から沖縄旅を案内させて頂きます、幼馴染のはーちゃんこと、葉月はづきです。よろしくお願いします!」(元気よく)


「せっかく夏休みに沖縄に来たんですから、沖縄を満喫していってくださいね。郷に入っては郷に従えですよ? 都会のことなんて、ぜーんぶ忘れちゃって。忘れるのは君の得意分野でしょ?」


「ふふ。そりゃあ、私のこと忘れてたことは、根に持ってますよ! どうやって復讐してやろうか……!」


「なーんてのは、冗談ですけど」



「そうだ、良いこと思いつきました。罰ゲームじゃないですけど、この沖縄旅は、私のルールで沖縄を満喫してもらおうかな?」


SE:近づいてくる音。


「……私の言うことは、絶対に聞いてくださいね? どんなことでも。私が思い出させてあげるから」(耳元で囁くように)


「ふふ、多少強引にでもしないと、君は動かないんだから。前からそうだったでしょ? 前来た時も、プールで遊んでいたいーってずーと動かなかったんだよ?」(少し離れて、明るい声に戻る)


「もう! 何を言っても思い出さないんですね! そんなことあったんです。いろんな遊びをした仲じゃないですか?」


「幼馴染っていう関係性って、時間が空いたら消えちゃうんですか? 馴れ馴れしくしますよ!」


「はい、早速私ルール発動です! 今から私のことは、『はーちゃん』って呼んでください!」


「なんですか、恥ずかしそうな顔しちゃって?」


「私に対して、また恥ずかしがってくれてるんですか? ふふ、相変わらず可愛いですねー」


「ふふふ、じゃあ前と一緒です! 私に着いてきてくださいね? 今日は疲れたでしょうから、早速バス移動でホテルまで行きましょうか」


SE:キャリーバックを転がしながら、歩く音。


(空港の外へ出る。)

SE:自動ドアが空く音。

SE:ミンミンと、低い声でセミが鳴く音。


「今日も暑いですね、セミが鳴いてると一層暑く感じちゃいますよね」


「沖縄のセミって力強く鳴き声ですか? 東京のセミは、こんな風に鳴かないの?」


「東京は、もっと弱弱しい鳴き声なんですか? そうだとしたら、東京のセミって求愛行動が大人しいってことなんだね」


「そうだとしたら、私はその声を聞き取っていかないといけないのかなー?」


「逆に言えば、沖縄のセミは求愛する気持ちが強いってことなんだろうね。君みたいに、稀にしか来ない人をゲットするために、ちゃーんと伝わるように求愛しないとですもんね!」


「ふふふー。ここまで言ってみたら、少しは伝わっているかなー?……って、バスに乗るための小銭の準備なんて、今はしなくていいですよっ! 私の求愛を聞いておきなさいよっ!!」


「君はずっと、マイペースなんだからなぁー……」(呆れるように)


「まぁ、いいか! 沖縄旅行は、まだまだ長いですからね! 楽しんでいきましょ!」


「なんてったって、これから一週間泊まるホテルは、二人で一部屋ですから。ふふ、今夜は寝かさないからねー?」


✧••┈┈┈┈┈┈••✧

【あとがき】

この物語が『面白い』『続きが読みたい』と思って頂けましたら、☆での評価をお願いいたしたます。

作者モチベーションに繋がります。(*_ _)

✧••┈┈┈┈┈┈••✧

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