2章 甘党探偵
「というわけで、今日こそは
『君が記憶を消す方を選んだら教えることはなかった部分だ』
少し長い話になるからと、3人と1匹は店のカウンターからテーブル席に移動している。
今が旬のいちごのショートケーキをデザートに、林檎はましろ達の説明に耳を傾けた。
「うーん……。とは言え、
「知ってる人には説明したことがあるの?」
『うん。一応、
「競争?」
「ボクは競争とか1番とか2番とか決めるような事に参加するのはあまり好きじゃないというか、出来れば避けたいんだけどなー。さっきも言ったように小学生の時にそこの小動物に騙されて」
ましろが小動物の愚痴を語り始めるのをアーバンが咳払いで止め、ラプスがましろを遮って説明する。
『
「その頃の
林檎がアーバンの能力を聞いたところ、上手い具合にはぐらかされてしまった。ましろが言うにはか「まぁそのうちわかるから」、とのこと。
今は重要ではない上、林檎も仲間になったばかりの部外者だ。今はそれ以上は聞かないことにした。
『話を続けよう。
「キミが出会したのは
ましろは2杯目のグレープフロートを飲みながら真面目な表情で付け加えた。
『ーーーーと、ましろは言うけれど、
「ましろくんは面倒事が嫌いだからね。ライバルには甘党探偵なんて呼ばれてるのにね」
「ライバル……?」
真面目な表情でグレープフロートを飲んでいたましろは眉を顰めた。
「たまたま、そいつに初めて出会した時に着ていた服が探偵衣装だっただけだよ」
「衣装……?」
「今日は不在だけど、アーバンさんのように組織本部から派遣されて来た衣装作りが趣味の女性がいてね。僕は探偵でもなんでもない。あいつが勝手に付けたただのあだ名でしょう」
『アーバンのような
「
ましろがしっとりしたバニラとチョコのミックスワッフルをナイフで斜めに切る。
「その現象……ではなく、組織間でよく起きる小競り合いを組織は、
「だから、この先キミは非戦闘員でありながらも
『でも、自分が所属する集団以外を倒すことが目的じゃないから、その面は安心していい』
「どこの集団が1番とか2番だとかのボクが好きじゃない争いはしてるというか、巻き込まれてるけどね」
「因みに、このカフェの人たちは
普段から学校でテストやらで競い合っている身としては気になるところ。これから自分が所属するーーーー派閥のようなものなのだ。林檎はこくりとりんごサイダーを飲み込んだ。
「……この競争嫌いなましろくんが、一応我々のリーダーとなっている、とだけヒントをあげよう」
林檎は察した。今日から自分が所属する組織は
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