第2話

 「つまり、あれで良かったんだよな」


「うん、ありがとうお兄ちゃん」


「・・・それにしても・・・迷いもなくしようとしていたな」


「うん、そうだね」


妹は悲しそうな顔をする。


 「・・・どうして、見捨てないんだ?自分の物すら盗んで来る人間だぞ」


「・・・少し前までは、あの子家は普通だったの」


「・・・変わってしまったのか」


「うん・・・お父さんが冤罪に掛けられて自殺した・・・らしい」


「それで、お母さんも病んでそうなったのか」


「そうみたい・・・だからね。今はみんなにこうして迷惑を掛けてるけど、本来、すっごく優しい子だったから」


優しいから他人を傷つけない

悪いから、他人を癒さない・・・訳じゃない。


この世は全てが人間が全て悪だったり、法律で悪いことが確かに悪でも、そうならざる得ない状況で許されることはある。


 「・・・辛いな。」


「うん」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る