妹の友達が万引きをしていた。

少し復活したエアコン

第1話


 「お兄ちゃん・・・そのね」


「・・・どうした?」


「黙ってて、いやお兄ちゃんだけは気付いた振りをして欲しいんだ」


その日の夜、妹は何を言ってるか分からなかった。


どう言う意味か聞いたが教えてもらえなかった。

________

 

 次の日、

 

 妹が友達を呼んできた。


 俺を見た瞬間に、ニヤッと笑って来た。


 笑われたことを不思議に思ったが、特に疑問に思わなかった。


______


「お兄ちゃん」


「どうしたの?」


「・・・部屋に行ってくれる?」


「いいけど?」


「私はトイレに行ったことにしているから」


「??まぁとりあえずジュース持っていこうかなと思ってたから」


「ありがとう、うんそんな感じで部屋に入って」


そして、部屋に入ると


「・・・何をしているんだ?」


その瞬間部屋を覗いたら、


 その子は妹の道具を盗んでいた。


18時から↓百合だったらバージョンを出します。

__________


 「・・・これは」


「・・・」


妹が黙ってて欲しいと言っていた意味が分かった。


 そうか・・・


 俺は駿人に頭を理解する。


 つまり、妹からすると、盗んだことは知ってるけどバレないようにしたい。けどこのままじゃ悪いから


「やめろよ!それは妹のだぞ」


「はぁ??何か口答えしてくんの?」


俺が注意しろってことだよな。


「それは、普通に考えて、盗みはよくないからだよ」


「・・・はぁ、それで注意なの?きもぉ」


 ひどい言われようだな。これがあったのは初めてだし


「とりあえず、反省する気ないなら学校に言うけど」


「はぁ?証拠もないのに?」


いや、きっと証拠はある・・・


さらにこれまで、妹の口ぶりから予想するに、これは妹がいじめられて言えない状況じゃない。


「・・・手慣れてるなぁ」


「そうね。だから誤魔化すのなんか簡単に出来るわよ」


「・・・じゃあ、俺にもバレた時点でおしまいだろう」


「それはアンタが急に入って来たから」


「いや、それこそ妹が急に戻って来る可能性もある。やっぱりそうじゃなかって」


「・・・まぁそれはあるかもね」


素直に認めるんだ。


「でも、それでも私が盗んでも証拠は取れないし」


証拠、証拠って


妹よ、なんでこんな奴に庇うんだよ。


試しに俺は、ドアノブに寄りかかってみる。


少し揺れた。妹は後ろで聞いてる。


 「なぁ、なんでこんなことをするんだよ」


「そんなの、こういう家で過ごせるアンタにはわかんないわよ」


「・・・そうかも、」


でも、今の一言だけで少し察した。


「じゃあ、これからは困ったら手を貸してやる」


「はぁ?何を言ってるの?」


「妹の友達が犯罪に手を出そうしてるのを止めない訳がないだろう。」


「・・・別にアンタには関係ないじゃん」


「今俺が言ってたこと聞いてた?」


時間的にそろそろ限界だろう。俺は後ろにドアノブでサインを出す。


 「だから、私は別に」


「いいから、困ってたら、金を貸してもいい、サポートも出来る限りする。」


「はぁ、誰があんたなんかに」


「嫌ならチクる。」


「だから証拠は」


「もう出来たよ。さっきから下で使ってたのバレてないの?」


「はぁ??」


それは妹からパスされた携帯


「えっと、あ、やば奇跡じゃん」


「はぁ?まさか録音されてなかったとか?」


「間違えて操作して最初から録音されてる」


「はぁー?」


「多分奇跡的に教え間違えてたんだ。」

気づいてない。操作をしたって言ったこと。


「ほら・・・多分この辺り」


【やめろよ!それは妹のだぞ】


【はぁ??何か口答えしてくんの?】


【それは、普通に考えて、盗みはよくないからだよ】


【・・・はぁ、それで注意なの?きもぉ】


「おー、見事に入ってるね」


「そんな、返して!」


「いや、俺だし、あ、あなたから見たらなんでも私ものか」


「違う!!私は何でも、かんでも!」


そして彼女は泣き出す。


 「あぁ、」


そして、ガチャガチャして


「はぁー、スッキリってお兄ちゃん!!何流してるの!!最低!!」


「えー、違うんだよ。ジュースを出してついでに少し話してさぁ・・・恋愛の話をしてたんだよな」


「・・・っ」


「それで、愚痴を聞いてたんだけど、それで思い出して泣いて・・・そうだよな!!」


俺を人睨みして


妹「そうなの?」


「うん、私に相談のるふりして、かなり酷いことを言ったけど」


「えーー!!やっぱりお兄ちゃん!!最低!クズ!」


妹に初めてクズと最低と言われた。でも演技だと知ってるし、むしろなんかのプレイみたいで


「いや、俺は俺なりになぁ、とりあえず、さっきの話は妹にも秘密にしておくから」


「え、」


「そうして!!」


「あと相談に乗るから!!」


「いや、誰がアンタに相談するか!!」


「えー、知らないならいいけど、さっき言ってた、人に協力を求めちゃうかな」


「お兄ちゃん!!何を言ってるの!!」


「・・・わかった!!相談にのるからもう出て!!」



部屋を出る瞬間


妹は慰めるように友達を抱きしめている。

ひどい、酷いねと口走りながら、友達の見えない位置から俺にグーサインを出していた。

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