月と白線

 私はいつからか、白線の上を歩かなくなった。小学生の頃はよく歩いていたのに。

 君という月に手を引かれて、白線から落っこちたんだ。

 そうして、戻り方も忘れてしまった。

 大人になった今、また白線の上に足をのせてみるけれど、合わない。合わせられない。

 一度落ちてしまった私だから、もう馴染めない。

 仲間外れで孤独。それを美しいと言って今日日きょうび咀嚼している。

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