夢を見ました。

沼津平成

子供の時のゆめ

第1話 3歳の時

 その時、僕と家族は13階たてのマンションに住んでいた。古いといえば古いし、新しいといえば新しいマンションだった。築年数で判断しているのではなく、内見を見ればわかる。少し茶色の引っ掻き傷が目立つマンションだった。僕らの前に住んでいたのは猫を連れた人だったのかもしれない——と僕は思っていた。

 夜、午前二時くらい。

(……?)

 僕はしまった。夢の中で寝ているわけにはいかない。そしたらまた夢を見てしまうではないか。余談だが、成長して星新一のとあるSSを読んだ。ゆめが何重にも重なっているSSだった。その時僕は身の毛がよだつのを感じたのを覚えている。——それは、この夢のせいではないだろうか?


 僕は、蒸し暑い布団から這い出ると、ドアを開けた。鍵がかかっていなかった。

(不用心な親だなぁ)と、夢の中で僕は思った。しかし、僕は鍵を持っていなかったので、また僕も不用心な男となってしまった。

 右に曲がって少し歩いていくと、僕はある違和感に気づいた。

(なんでこのマンションは50何階までもあるんだ——)

 僕は25階を選んだ。目についたのが25階だったから。あと、上の階がどうなっているのか調べたかったのかもしれない。

 エレベータには先客がいた。黒いマスクの不審者だった。僕はその不審者と25階に向かっていた。17階についた時、僕は目を覚ました。

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夢を見ました。 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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