あめんぼ部

三輪ココロ

第1話 あめんぼ部へようこそ

雨だ。

私の心を表すように雨が降り始めた。


せっかく頑張ってきたのに。

私の夢を流すように雨が降り続ける。


校内では運動部がトレーニングをしている。私の居場所はない。


傘を忘れた。


雨が止むまで校内を彷徨う。それしかすることがなかった。


校内に響く掛け声と、地面を打ちつける雨の音。


居場所は見つからず、いよいよ昇降口に辿り着いてしまった。靴箱から靴を取り出し、

外に出る。いや、やっぱり出ない。


雨の校庭を眺める。普段活気に溢れる校庭が今日だけは誰かに捨てられた場所になっていた。

雨の校庭は私の居場所なのかもしれない。


私は、半分やけになり、校庭に出た。


もうどうでもいいや。

うん。どうでもいい。

けどちょっと、まって、

寒いかも。そんで、気持ち悪いな。靴下もぐちょぐちょじゃん。

これからこの不快感と一緒に帰るのか?

しかも電車で?変なやつじゃん。

戻ろう。戻ってちょっと乾かして、コンビニまで走って傘買って帰ろう。

何してんだ私。


そう思い、校庭を離れようとすると、目の前に人がいた。

雨の日の校庭で、私以外の人間が。

そしてその異常者は私にこう声をかけた。


「ようこそ!あめんぼ部へ!!」

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