愛っているのでしょうか?

猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ

第1話

皆様初めまして。


私、サンダーソニア・ハチス・アザミナと申しますの。


今から少々私の一人語りに付き合っていただけませんこと?


そう、始まりは昨年の秋のことでした。


◆──────◆


「愛しているよ…チェン…」

「ええ私もよ…ローレル…」


二人はそのままキスをしましたの。

場所は隠れやすい花壇のある一帯。


この時の私の心境は、

(ど、どうしましょう。私の婚約者様が…キ、キスを…しかも見知らぬ女性ですわ。少なくとも彼女は貴族ではない。ここのパーティーに出る出席者様は全員確認しておりますわ。誰でしょう…?そもそも一体どこの誰が彼女をこのパーティー会場へと連れてきたのでしょう…?婚約者様?わかりませんわ…調査しなければ)


「ああ、チェン。君と付き合えないことがひどく悲しいよ…私は君が好きなんだ」

「私もよ、ローレル。私もローレルと共にいたい。でもローレルには…婚約者様がいらっしゃるのでしょう?」

「ああチェン、私の愛しい君よ。私が万難を排除して見せよう。我が婚約者の座が空けたとき、君は私を受け入れてくれるかい…?」

「もちろんよ、ローレル!とっても嬉しいわ!」


チェンと呼ばれた彼女は満面の笑みを浮かべていましたわ。

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