第17話 ダンジョンクリア!

「さぁどうする?」


ドラゴンは僕を見てニヤニヤしていた。

クソ!


「一応条件だけ聞く」


僕は本の欲しさのために条件だけを聞くことにした。


「ワシを外に出してくれ!」


「ムリ!」


僕は即答した。


当たり前だ。

こんなデカい物体を外に出せばパニックになる。


「なっ!?」

「ワシを外に出すだけで本を上げるんじゃぞ」

「簡単じゃないか!」


外に出すのは簡単だ。出すだけなら。


「お前を外に出したら町の人が困るだろ」

「それにお前は外に出てなにがしたい?」


僕は大切な事を聞いたはずだ。しかし、このドラゴンはありえない返事をした。


「世界滅亡」


「ムリだな」

「あきらめろ」

「本は勝手にもらって行くから」


僕はすぐに切り捨てることにした。


「まって、お願いだから」


ドラゴンは焦っていた。


「なら、ワシが外に出るための条件をきめていい」

「だから、もう一回チャンスをくれ」


そこまで、外に出たいことに僕は驚いた。


「なんで、そんなに外に出たいんだ?」


「暇だから」


コイツ即答したわ。暇だから僕を利用して外に出ようとしてたのか。


「条件は3つだ」

「これを守るならお前も一緒に出してやる」


「聞く、聞く、ちゃんと聞くから」


僕は条件をあげる。


1.人は殺さない

2.目立たない

3.世界滅亡はしない


「この3つだ」


ドラゴンは悩む。

そして出した答えは、


「いやだ」


「2はまだいい1と3はしたい!!!」


コイツはバカだ。

無理に決まってる。


「ならお前を外に出すことはできない」

「ここでお前を倒して本だけもらっていく」


その言葉を聞いてドラゴンはまた悩んだ。


「わ、わかった」


悔しそうな声でそう言った。

僕は本を取り早めにダンジョンから出ることにした。


「ちゃんと目立たなくしろよ」


僕は釘をさしてダンジョンの入口へとむかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「で、出た」

「よし、イリスこのまま別の町にいこう」


「そうだな」


僕等はこのまま町から出ることにした。


「なぁ、休まないのか?」


ドラゴンが聞いてきた。


「まぁな」

「あの張り紙見えるか?」

「あの紙はおそらく僕のことだ」


町中に貼られてある新しい紙、おそらくあれは僕の指名手配の紙だ。

僕が何も言わず城から出たため、『裏切り者』として懸賞金が掛けられているのだろう


「てか、お前まだ居たんだな」


僕はダンジョンからでたらすぐに居なくなるのかと思っていた。


「お前ひどすぎないか!?」

「お前が約束守るように主従関係を結んだじゃないか!」

「お前が許可しないと俺は一人で行動ができないんだぞ」


ドラゴンは僕の裾で怒鳴った。


「あーごめんごめん」

「じゃあもういいよ」

「約束だけ守ってね」


僕はドラゴンを自由にすることにした。


「ちょっと待ってよ」


ドラゴンは泣きそうになりながら言う。


「こんな行動制限されて自由にしろってはないだろ」

「俺も旅に連れて行ってよ」


ドラゴンが僕の旅についてくる?

僕からすれば戦力が増えるのはありがたいが....。


「僕は別に良いがお前はいいのか?」


「もういいよ!」

「何もできないのに一人はつまらないし主従関係なんだから従者が主を守るのは当たり前だ」


ドラゴンは怒っていた。


「そっか」

「イリスも良いか?」


一応イリスにも聞いてみる。


「ミナトが良いっていうなら良いぞ」


「よしこれからよろしくなドラゴン」


「ワシの名前はファフニールだ」


「わかった、よろしくファフニール!」


僕等は町の門をくぐり抜けて長い長い旅を始めることにした。

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