その言葉は本物なのか

神谷優

その言葉は本物なのか



・僕は君が好きだ。


この気持ち一生信用してくれないだろうが


それでもいいんだよこの気持ち届かなくても。


君に今伝える事ができた。


それだけで僕は満足だよ










・委員会がやっと終わり皆はカラオケに先に行ってるらしいから早く向かおう


なんか今年の春はやけに天気が良いな

毎年こんなもんだっけ?

学生でいられるのもあと1年か・・

遊ばなきゃな〜


大学受験の勉強はしてないし、ましてや行くつもりもない

なんか就職の方が楽そうだしお金貰えるし

早く社会に出たい


部活には入っておらず

毎日友達と遊んで帰っての繰り返し


ルックスはそれほど悪くないないせいか、

誰にでも素直な気持ちを言えるせいなのか、

彼女も何人かできた

今はいないが、良い人がいれば付き合いたいと思う


カラオケに自転車で向かっていると、うちの学校の制服を着た生徒と一緒に信号待ちになった

この子は徒歩通学なのか


顔が気になって、バレないように覗き込んでみると見たことのない顔だった


後輩??


うちの学校の女子生徒は学年ごとにリボンの色が違う。

そうか、この子は2年生か

にしてもかなり可愛いな

髪型はツインテールで童顔なかわいらしい感じ

僕好みの顔だ


特に話掛けることもせずに青信号になったためカラオケへ向かう

いちいちかわいいからと声を掛けていたらキリがない

ただタイプだった






・次の日の朝昨日タイプだと思った子と、同じ交差点の反対側でまた一緒に信号待ちをした

学校から少し離れたところで周りには誰もいない場所だ

なんだか今日は天気が良いせいなのか、

よっぽど自分のタイプだったのか

思いかけず声を掛けてしまう。


『あっ、昨日と同じ場所で会ったよね』


相手が昨日会ったことなんて知らないだろうなと思ったが、運命的なのを装いたかった。

女の子はこおいうのに弱いからな。


『あ、、大和先輩だ!!おはようございます』


初めて話す筈なのに、

何故が僕の名前を呼んだ


『ん、、』


一瞬戸惑ってしまったが、


『おはよう!』


『昨日も会いましたっけ??』


昨日この場で会っていた事は気づいていなかったらしい

どうやら昨日覗き込んで見たのはバレていなかったらしい

僕は自転車に跨いでいたが、降りて話を続ける


『会ったよ!向こう側で一緒に信号待ちしてたよw』


『え!そうだったんですね!気付きませんでした(T . T)偶然ですね!!』


ほら、やっぱりこの子の反応が良くなった。この子もやはり普通の女の子なんだな


『学校まで一緒に行かない?』


『行きましょう行きましょう!1人で歩くの暇ですし』


『あれ、なんで僕の名前知ってるの??』


『あぁ〜葵先輩の元カレですよね??私葵先輩と中学の時から仲良くてお話伺ってましたよ』


ちょっと笑顔で言うもんだから、戸惑ったが少し自分的に気まずくなってしまった。

元カノの友達ちに手を出してるみたいで、なんか女タラシみたいな感じが出てしまっている


『あっ、葵の友達だったのかwそうか、葵には内緒ね!!今はもう全然未練とかお互いないから良いんだけどさw』


『あ、分かりました♪( ´θ`)』


なんだかバツが悪いので口止めをしておいた。

そんな会話を一緒に歩きながら話す。


『君の名前はなんて言うの??』


『美優ですよ』


そうこうしてる間に学校について

僕は駐輪場に向かうためここでバイバイする事にする、


『美優また喋ろうね!僕自転車あっちだから!』


『はい!また話掛けて下さい』







・その日のランチの時間


食堂に弁当を持っていつもの友達と向かう


『あっ、先行ってて!僕の席取っておいて!!』


1人で食堂に向かってる美優を見かけたので友達を先に行かせて、喋り掛けにいく


『美優ちゃん学食??』


まだちゃんを付けるか付けないかで安定しないな、、


『あっ大和君!はい!学食ですよ!!』


向こうのは大和君と呼ぶ事にしたらしい


『先輩はお弁当なんですね!友達先に行っちゃいましたけどいいんですか??』


友達といるところ見ていたらしい。というか呼び方はまだ決まっていないらしい。


『あぁ〜大丈夫だよ!美優と喋りたくて先行かせた』


『えぇーそんな嬉しすぎます♪( ´θ`)』


『だってめちゃくちゃかわいいもん。喋りたくもなるよ!彼氏とかいるの??好きな人とか』


朝1番大事な事を聞き忘れていたのでここでしっかり聞いておく

それを聞きたくて今話しかけたというのが大きい


『そんなそんな、いませんよ(T . T)できた事もないです。』


『そうなんだかわいいのにね。ほしくないの??』


『いい人がいれば\(//∇//)\ですかね』


『僕付き合いたいな♪( ´θ`)』


少し軽いノリで言ってしまった

美優の事が好きとかの前にこんなかわいい子だから、本当に付き合う事になっても悪くはない


『先輩嘘はダメですよ!!葵先輩が言ってましたよ!!誰にでもかわいいって言うし、好きって言うって!!それで相談受けてたんですから』


『そんな事ないよ??』


冷や汗が出た

今ナンパしてる相手に見透かされてる事

葵がそれに気付いて相談してた事


『でも考えておきますね!一途な彼氏がいいので』


『なるほどね笑じゃぁまたね!あっ、LINE交換しようよ』


『いいですよ!』


LINEを交換したので美優に手を振って友達のいるところに行く


そうか、一途な人がいいのか〜





・『もしもし』


『もしもーし!大和先輩今何してるんですかー?』


LINEを交換してから1週間たった金曜日の夜に美優から電話がかかってきた。


メッセージのやり取りはしていたが1度も電話はしてないし、ましてや掛かってくるなんて思っても見なくてびっくりした。


学校で喋る機会はあまりなく、たまーに廊下をすれ違って挨拶する程度だ。


『え、ダラダラしてるだけだよ!どうしたー??』


『なんか暇だったので掛けちゃいました。』


いやいや、なんなのこの子。可愛すぎないか??

あれから1週間だったが今の自分の気持ちはかなり美優でいっぱいになっている

理由は簡単で

まだ高校生の僕は恋多き少年なのだ


『あーねー暇だよ暇w』


この後1時間くらい電話して

眠くなってお互い眠くなり寝る事にした

明日遊ぶ事になった。

お互いに好きなアニメの続編が映画化されるという事もあり、それを見に行く事になった


これわデートなのか??友達としてなのかな??どちらにしろハタから見たらカップルに見えるだろうな


そんな事より緊張してきた。


早く寝て遅刻しないようにしなきゃな。小学生が遠足に行く前の日のようにワクワクしている



・寝れなかった。



しっかり伏線回収をしたところで、気合が入りすぎて早く着いてしまった。


集合場所は近くのイオンの中に映画館があるため、そのイオンの近くの公園にある大きな時計塔のところで待ち合わせだ。


ちなみに20分も早く来てしまったため、もうかなり立ち疲れた。

家に居てもする事なく落ち着かなかった


『せ〜んぱい』


なんかお互い距離が縮んだ??


なんだか昨日長電話したせいか喋り方がフランクになっているように思えた。


そんなことより可愛すぎないか、この子。

僕より少し背の低いこの子の

少し屈みながらの問いかけにドキっとした


そんな裏の照れは隠して虚勢を張って言う


『よっ!じゃ行こうか』


『はい(*´꒳`*)』


『楽しみだね!特に最終回で告白に成功した主人公がこの先ヒロインを大切にできるのか、そしてきちんとリードできるのか、そこが見どころだな。あとはヒロインの元カレがかなり未練たらたらで主人公が嫉妬されているという部分をどう解決するのかだね』


熱が入って1人で語ってしまったがそこは無視してほしい


『大和君本当に今日の映画見るの楽しみなんですね!私もですけど、漫画の方まで全巻揃えちゃいましたよ』


『え、ならそれ最終回の続き見たって事じゃん(T . T)今日無理して連れてきちゃった??』


『いやいや、作品のファンだし、映像で見たいんですよね』


『ならよかった、けどネタバレしないでよ??』


『しませんよw』


今回見るアニメというのも、恋愛学園系の、ザ青春という感じで、かなりキュンキュンした。隣に美優がいるのがなんだか恥ずかしかったがこんな恋愛したいと思った



映画を見終わりその後はショピングモールをウロウロしてご飯を一緒に食べた。


一応男として、美優を家まで送る事にした

美優は遠慮していたが、なにかあっても嫌なので無理やり送っていく。


『やっぱり映画はいいですね。私がマンガで見たときより全然キュンキュンしましたよ』


『かなりよかったね!なんか嘘だろ?ヒロイン。と思う事もあったけど、最後には感動するように2人が愛し合ってくれて満足してる』


『先輩嬉しそうですね』


『そりゃそうだよ!今余韻に浸ってる』


映画の感想を話しながら帰っていると


美優の家だというところまで近くなる


『先輩わざわざ家までごめんなさい遠くなっちゃうのに』


『いやいや、喋ってるの好きだし全然平気だよ!それに美優の事も好きだしね。』


熱くなって変な事を言ってしまった。

いや、それでもこれは本当の気持ちである。

ずっと胸はドキドキしてるし

付き合いたいと本気で思っている。


『ありがとうございます』


『あの、告白のつもりだったのだけれど。付き合ってくれない?』


『先輩嘘はいいですよ』


『本当だよ??』


『先輩タラシだし、誰にでも言ってそうだしな。私そんな、軽い女じゃないですよ?』


そこで本当に好きだとは言わなかった。


ここで思いを伝えたって美優が僕の事を好きかなんてわからないからだ。


思いが伝わらないのって辛いなとも思う







《誰にでも言っているそのセリフ


それでもその気持ちは本物なんだろうな。


でもその言葉大切な人のために大切にするべきだよ》







*終わり

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その言葉は本物なのか 神谷優 @kamia_tenten

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