光と闇
ハイロリ
第1話 はじまりの日
「あなたをずっと待っていた・・・」
謎の声が頭の中に届いてくる。声の主の思念が自身に飛んでくる。わたしもまた声の主に思念を飛ばす。お互いがお互いを理解する。とにかくこれで新たな星へ行ける。そして目的が増えた。わたしの冒険・・・。色々あった。でも今は大切な思い出。それはあの日から始まった。
わたしは桐谷翼(きりたにつばさ)。父親は小さい頃から世界中飛び回っている。母親は殺された・・・その犯人を父は探しているらしい。
現在はおじいちゃんと暮らしていてメイドさんが世話をしてくれている。もう慣れたから・・・大丈夫よ。心配してくれてありがとう。成績は中の上、運動神経は小さい頃からハゲジジイ・・あっ!失礼しました。おじいちゃんに鍛えられたので、無駄に高い。ほんと無駄に高い・・・。
身長は高め。体重は・・・う〜ん軽めだと思うけど・・・ってヒミツよっ!!なんでこんなこと言わなくちゃいけないのよ・・・バストサイズ??とりあえず巨乳は敵だと言っておくわ!!
どこにでもいるただの高校2年生です。たぶんね。白馬に乗った王子様がくるのを待っている。可憐な乙女です。
キーンコーンカンコーン。
「お嬢!!お迎えに参りました!!」
「いつもありがとうございます。桐生さん」
えっ?口調が違う?家ではとってもいい子なんですよ。わたし。
ちなみにこの迎えにきてくれた人はジジイの弟子の桐生武(きりゅうたけし)さん。え?おじいちゃんって言わないのって?めんどくさいからやめたわ。
ジジイに言われてるようでいつも迎えにきてくれるの。ホントはわたしも友達と帰りにどこかによって遊びたいのに・・・。そのおかげで友達と遊んだことはほぼない。素敵な彼氏とデートなんて夢のまた夢・・・あんなことやこんなことしたり・・・ふふ。はっ!いつもの癖で妄想してしまったわ。
お察しの通り彼氏いない歴17年です・・・。
告白してくれる男の子もいたわ。でもあのジジイにいつも邪魔されるのっ!ジジイに勝てる人じゃないと認めないらしい・・・わたし生涯彼氏できないかもしれない。ジジイが亡くなるまで待てばいい?ところが殺しても死なないくらいぴんぴんしてるジジイなのよ。
はぁ〜・・・今日も修行か・・・。
「おじいちゃん。ただいまぁ」
「おかえり翼。さぁはじめようか」
2時間後・・・。
「今日はこれで終わりじゃ」
「はぁ・・・はぁはぁ・・・ありがとうございました」
ほんと疲れる・・・なんでこんな人外ジジイなのよっ!わたしの攻撃はほぼ避けられる。たとえ攻撃を当ててもジジイには1ダメージも通っていないらしい。そしてなぜか攻撃されてるのにわたしのダメージもほとんどないの・・・可愛がってくれてるのは知ってるんだけどなんで痛くないようにできるのかわけがわからないわ。どこぞの惑星に住んでる大猿なのかしら・・・?少なくとも地球人ではないわ。きっと!!
「そういえば翼に荷物が届いておったぞ。茶の間に置いてあるからの」
「わかったわ。ありがとうおじいちゃん」
なんだろう?ご飯食べてお風呂入ったら見てみよ」
届いていたのは小さなダンボールだった。
差出人は不明・・・?誰からだろう・・・はっ!!これは告白なのかしら!きっとラブレターが入ってるのよ!!ダンボールにいれてバレないようにしてるのね!囚われのわたしを助けてくれるのね王子様!!
それから中には連絡先なんか書いてあったりしてきっとメル友から恋がはじまるのよ!えへへ。
開けてみよう。
中身は1通の手紙と綺麗な小さい宝石だった。
きた・・・きたわ!!やっぱりラブレターなのね!!それに宝石って・・・プロポーズなのかしら!!王子様からプロポーズなのね・・・でも・・・でもちゃんと交際してからがいいな・・・なぁんて。
苦節17年・・・恋人いない歴17年桐谷翼17歳にも春がきました!!!
ってまず中身を見ないとね!落ち着いて・・・すーー・・・はぁーー・・・。
おめでとうございます。
この度、桐谷翼様はVR技術を用いたゲーム形式プロジェクトのβテスターに当選致しました。ご参加いただける場合のみ、お呼びさせていただきます。
尚、一度ご参加の意思を示された方は途中で辞退および帰宅することが不可能となりますのでご了承ください。
プレイ中の身体的サポート等は充実しておりますので、ご安心ください。
ご参加いただけた方には、1億円を報酬とさせていただきます。
生死に関して責任を負いかねる世界もございますが、ご了承ください。
この手紙の内容を他者に伝えようとする又は、参加、不参加が決定した場合、自動的に消滅致します。
スタッフ一同ご参加いただけることをお待ちしております。
「えっ・・・王子様じゃなかったの・・・・・・ん?でもこれは・・・」
参加すると帰宅するのが不可能。これはつまり・・・わたしこの生活から抜けれるのね。
あのジジイからおさらばできるわ。そうしたら王子様を探せるわっ!!
王子様待っていてください。わたしは参加します!!
「ご参加ありがとうございます。これより、ご案内を開始致します」
ん?何か聞こえたような・・・。
パリンッ!!!
宝石が割れた。
あーっ!!!王子様からの愛の贈り物がああああ!!
あっ!でも王子様からじゃなかったわよね。ならいらないわ!
「きゃっ!」
眩しい・・・思わず乙女パワー全開になってしまったわ・・・。
なんかスカイダイビングした時のような感覚が・・・。昔したことあるのよ。ちなみにパラシュートなしだったわ。空中感覚を鍛える訓練って言ってたな。一緒に落ちたはずなのになぜかジジイが先に下で待ってるのよね。物理法則って幻なのかしら。
それでわたしをキャッチしてくれるの。はじめてしたのは1歳の頃。きゃっきゃっ笑ってたらしいわよ?わたし。でもね意外と楽しいのよ。あの感覚。あれ・・・?いつのまにか感覚が消えたわ。
「ここは・・・どこ???」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます