『朝焼けの詩』ジャンダルムに愛の想いを馳せて

まえがき

　この作品は、こよなく愛する男性を穂高連峰で失った女性が、彼の死因の謎を解き明かしていくミステリアスな現代ドラマです。

　彼の優しい笑顔が、山の嵐に溶け込むように消えたその日。彼女の心には、深い悲しみとともに、彼との楽しかった日々の思い出が残りました。

　しかし、それは、北アルプスを愛し、『登山者に悪人はいない』と信じていた彼への鎮魂歌として、彼女が捧げたものかもしれません。

　北アルプスの霊峰である穂高岳を舞台にした壮大なドラマを描く上で、登山用語がやむを得ずいくつか使われていますが、各ページに注釈を設けて説明しています。

　この切なくも美しい作品をより深くご理解いただくために、注釈も合わせてご覧いただければ幸いです。