タイトルをココに!
独り湯
序章:君の始まりを書店に!
ーーーーーーー目が、覚めた。
まだ開き切らない眼で辺りを見る。地球儀、分厚い本、杖、食べかけのカロリーメイト.....私の部屋だ。
無機質な音でアラームが鳴り続ける。現時刻9:00。はて何か忘れてしまったような...?
「あのー...どなたかいらっしゃいませんか...?
一昨日お電話した者なんですけど...」
その声が店の戸から聞こえた瞬間、私は跳ね起きた。やっちまった!
...社会人の身で9時まで寝坊とかどうなんです か〜?
うるせー読みたい本があったんだよ!
…せっかく面接に来た子を待たせるとかどうなんですか〜?
うるせー大失態だよ!
「マスター、朝食は用意できています。冷めない内にどうぞ」
うるせーありがとな!
パンを貪り食いながら走る私の耳に未だ呼び続ける声が鳴る。
髪は伸びっぱなし、目には黒い隈。ヨレヨレのエプロンを身に纏う姿はもはや店長というより魔女だ。
「また、ここも…」と今度は諦めるような声が聞こえた。待ってくれ千載一遇のチャンス!
果たして私は間に合った。
「ゼェ...ようこそお越し下さいました...ネモフィラ書庫へ....」
「あの...大丈夫ですか...?」
私の全身はべっちょりと汗ばみ目は虚ろ。さぞ不気味だったに違いない。だが彼女は振り向いてくれた。
「案内します…こちらへどッ!?」
「えぇ!?店長さーん!!」
段差に躓き、意識がトんだ。
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