タイトルをココに!

3Leepy

序章:君の始まりを書店に!

ーーーーーーー目が、覚めた。

まだ開き切らない眼で辺りを見る。地球儀、分厚い本、杖、食べかけのカロリーメイト.....私の部屋だ。

無機質な音でアラームが鳴り続ける。現時刻9:00。はて何か忘れてしまったような...?

「あのー...どなたかいらっしゃいませんか...?

一昨日お電話した者なんですけど...」

その声が店の戸から聞こえた瞬間、私は跳ね起きた。やっちまった!

...社会人の身で9時まで寝坊とかどうなんです か〜?

うるせー読みたい本があったんだよ!

…せっかく面接に来た子を待たせるとかどうなんですか〜?

うるせー大失態だよ!

「マスター、朝食は用意できています。冷めない内にどうぞ」

うるせーありがとな!

パンを貪り食いながら走る私の耳に未だ呼び続ける声が鳴る。

髪は伸びっぱなし、目には黒い隈。ヨレヨレのエプロンを身に纏う姿はもはや店長というより魔女だ。

「また、ここも…」と今度は諦めるような声が聞こえた。待ってくれ千載一遇のチャンス!


果たして私は間に合った。

「ゼェ...ようこそお越し下さいました...ネモフィラ書庫へ....」

「あの...大丈夫ですか...?」

私の全身はべっちょりと汗ばみ目は虚ろ。さぞ不気味だったに違いない。だが彼女は振り向いてくれた。

「案内します…こちらへどッ!?」

「えぇ!?店長さーん!!」

段差に躓き、意識がトんだ。

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