初恋のすゝめ

@Hatsu0714

第1話

人の気持ちや思いというのは、1秒もすれば変わってしまう。

どんなに強く思っても、どれだけ心に決めていても、変わりいくのが気持ちというもの。


3年間の成長を祈ったぶかぶかの制服と、溢れるほどの期待と不安と高揚感。今日は苅町中学校の入学式だった。ぼくは、小学校からの友達の宇野拓磨(うのたくま)と同じクラスになった。

「友達できるかな?」

「大丈夫じゃない?同じ小学校の人たくさんいるし」

ぼくは、友達が作るのが得意だった。

相手に共感していればいいし、笑顔でいるとだいたい向こうも笑ってくれる。これでもう友達だろう。

「可愛い子いるかなー」

「拓磨はずっとそれだな」

拓磨は昨日からそれで頭がいっぱいだった。

教室にはいると、ぼくたちは上から舐められるような目線を浴びて、見定められた。そしてそのまま緊張の渦の中へ入っていった。

「こんにちはー!」

教室に甲高い担任の声が響いた。

「先生、若いね」


突然振り向いた彼女に、ぼくは一瞬にして頬が赤くなった。心の奥で何かが落ちる音がした。







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