第14話

66話 開戦

パンビラの古城 麓。

タンポポが潜入の際に仕掛けていたモンブランの色技を発動させるための7本の杭【色鉛筆】。色鉛筆はモンブランの色素が込められておりこれによりモンブランは遠隔で色技を発動できる。

色鉛筆は光出してその光は繋がり転移色技陣を作り出した。その数秒後大軍隊がパンビラの古城の麓に現れた。

・レイン「開戦の狼煙を上げろ!!!」

・青軍人「はっ!」

レインの合図と共に迫撃砲を放つ。

【陽炎弾】アリシアが作り出した迫撃砲の弾。陽光石の弾の数倍の威力がある。

ヒュー……ドガーン!!!

古城の門に風穴が空く。

・レイン「今だ!!突撃ー!!!」

青軍人は流れ込むように壊した門に向かった。

すると門の向こうには敵の軍人が待ち構えていた。

敵軍人は銃を放ってきた。

パンビラ古城内。

・ビオラ「フフフフ、遂に始まりましたね。」

・弁慶「真正面から突っ込んで来るとは愚策では?レイン殿。兵にも金がかかっておりますのに……それではビオラ殿、我は先に行くとしましょう。その娘は借りて行きますぞ。敵をおびき出す餌になることでしょう。」

・ビオラ「ええ。構いませんよ。もうその娘に用はありませんからね。フフフフ。」

ビオラは陽炎石のクリスタルを見ながら不敵に笑った。

パンビラの古城 門。

敵の無数の銃弾が飛んでくる。

・レイン「大雨宿しおおあまやどし

レインは色技で銃弾を防いだ。

・レイン「そらぁ、待ち構えてるだろうなー!!!弁慶!!俺はずっとお前を見てきたんだぜ!!今のうちだ!!入れ!!」

軍隊より先にアーリスが一人で飛び出した。

ガッ!ドコッ!ガツンッ!

アーリスはすごい速さで敵を数人倒した。

ドドドドド。バラララ。

それに続くように青軍人達の銃撃。

グサッ!!!

レインは敵を剣で突き刺した。

・レイン「アーリス!!あめぇな!!てめぇは!!殺さないと死ぬぞ!!これは戦争だ!!舐めた真似してんじゃねえ!!」

・アーリス「分かっるてよ!!!!」

アーリスは敵殴りたおす。

・レイン「覚悟決めろ!!行くぞ!!!!!」

アーリスとレインは同時に飛び出した。

 

67話 殿

開戦 前日。

作戦会議室。

・レーゲン「これはパンビラの古城内の地図だ。タンポポ大尉の潜入により城内のある程度の作りが分かった。作戦はこうだ。まず真正面の外壁の門をアリシア殿の陽炎弾で破壊、その後そこから一気に全隊で侵入する。もちろん敵は待ち構えているだろう。それは我々の部下約200名の数の力で押し切る。問題は城の中に侵入してからだ。ドラキュラは用心深いやつだ。城の中には信用のできる者だけしか居ないと考えられる。だがこれが厄介だ。弁慶は言わずもがなだが、まずはドラキュラの色技で洗脳され自我を失くした者たちだけで結成された部隊、恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズそしてこいつらを指揮することができるドラキュラ家の三人 Ⅲ翼吸血鬼ヴァンパイア サードこれらの各個撃破が必要となる。城内はかなり広いため三手に別れる。配置はこうだ。」

 

1階 グラジオラス アルテミシア 桂 蜜柑 タンポポ

2階 レイン アーリス

地下 モルト トリカ

 

・レーゲン「城内に侵入後レインとアーリスは直ぐに上階を目指してくれ。ビオラ ドラキュラはタンポポの調べから上階のどこかにいると予想される。1階担当の者達はフロア制圧後、レイン達の援護に向かってくれ。そしてこの城には地下が存在した。地下には扉が有りこの扉は固く閉ざされていた様だ。潜入では中までは調べることが出来なかった。怪しく何があるか分からない。分からないからこそ調べる事が必要だ。これをモルト トリカで行なって貰う。作戦は以上だ。戦場では何が起こるか分からない後は戦場の判断にまかせる。」

時は現実に戻る。

ドドドドドドド!!!バラララ!!!!

弾丸が飛び交い城内は一気に戦場と化す。

アーリスとレインは敵の攻撃を掻い潜り城の玄関までたどり着く。

・モルト「我々もレイン中将達に続きましょう!!」

グラジオラス、トリカ、アルテミシア、蜜柑、桂、モルト、タンポポはアーリス達を追いかけた。

ドゴーン!!

アーリスは城の玄関を破壊した。

・レイン「おいおいもっと静かにやれねぇのかよ!!」

・アーリス「うるさい!!こっちの方が早いんだ!!」

・レイン「ちっ!俺らは2階からだ!!さっさと行くぞ!!」

アーリスとレインは階段を登って行った。

・トリカ「あの二人早いですね。」

トリカ達も玄関に到着した。

・モルト「では、皆さん健闘を祈ります!!我々は地下です。行きましょう。トリカ殿。」

トリカとモルトは地下を目指した。

・桂「俺らは1階だ。ダンデ、怪しい場所はあるか?」

・ダンデ「え、えっと、大ホール!!1階には大ホールがあるんだけど縁紅 弁慶がよく出入りしてたみたいなんだ。」

・桂「よし!!ならまずはそこからだ!!」

・グラジオラス「弁慶……」

グラジオラスは拳を強く握り締めた。

・グラジオラス「(櫻子ちゃん……今行くから!!)」

ドドドトド……

後ろの玄関からたくさんの足音が聞こえた。

みんなは振り返るとそこには10人ほどの生気が抜けたような者たちの姿があった。

全員「!!!」

・ダンデ「あっ、あれは恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズ!!」

・アルテミシア「あれが……なんだか気色が悪いなの。」

恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズの後ろから女の声が聞こえてきた。

???「ふふふ。侵入出来たと思ったでしょう?もう貴方達は袋のねずみよ。この城からはもう二度と出ることができないわ。」

・桂「あのなり、きっとあいつがⅢ翼吸血鬼ヴァンパイア サードだよな。」

【フリル ドラキュラ】Ⅲ翼吸血鬼ヴァンパイア サードの一人

・蜜柑「なるほどじゃ。殿しんがりが必要そうじゃの。皆先に行くのじゃ!!ここはわっちに任せるでありんす。」

・アルテミシア「!!!」

・アルテミシア「だめなの!!一人でなんて危険すぎるなの!!」

・蜜柑「心配してくれるのかえ、ねぇたま。しかし心配無用なのじゃ!!わっちは強い!!!わっちは絶対に死なぬのじゃ。」

・アルテミシア「でもなの……」

・蜜柑「約束じゃ!!絶対にねぇたまの元に戻ると約束するのじゃ!!」

蜜柑は強く言った。

・アルテミシア「分かったなの。約束破ったら許さないなの!!でも、約束守れたら、ぎゅっ、ぎゅうーくらいはしてあげるなの。」

アルテミシアは照れながら言った。

・蜜柑「!!!!!!!!!!!!!!(可愛い!可愛い!可愛い!可愛い!可愛い!可愛い!可愛い!)」

・蜜柑「一日じゃ!!一日わっちの言う事をなんでもきいて欲しいのじゃ!!!」

蜜柑は要求を追加した。

・アルテミシア「もう!!分かったなの!!一日だけ蜜柑の言う事なんでもきいてあげるなの!!だから絶対に死なないなの!!!」

蜜柑はそれをきいて悶えていた。

・蜜柑「はぁはぁ……当たり前でありんす!!!はぁん、嗚呼、ねぇたまとぎゅうー!!嗚呼、ねぇたまとお風呂!!嗚呼、ねぇたまと添い寝!!!!」

・アルテミシア「えっ!そこまではっ……」

・蜜柑「早く行くのじゃ!!時間がないのじゃ!!」

蜜柑はアルテミシアの声を遮って言った。

・グラジオラス「済まない。蜜柑。ありがとう!!絶対に追いついて来てね。」

・蜜柑「グラスよ、ねぇたまを、そして櫻子をよろしくでありんす。」

・グラジオラス「うん。任された。……行くよ!アルテ!!」

そう言うとグラジオラス達は走り出した。

・アルテミシア「えっ、えっ、なんでもって……もうなのー!!!!」

アルテミシアもグラジオラスを追いかけて走って行った。

蜜柑は敵に向かって大きな声で言った。

・蜜柑「そういうことじゃ!!わっちはねぇたまにあんなことやこんなことをするまで絶対に死ねなくなったのじゃ!!お前達には悪いがここからはただの蹂躙なのじゃ!!」

 

68話 美しさと可愛さ

・フリル「蹂躙?なんて下品な言葉使いなのかしら。ほんとっ下々のことは分からないわ。」

・蜜柑「下々?わっちはあの鬼百合家じゃ!!偉いのじゃ!!しかしすまぬな。つい興奮してしまっての。……はぁはぁ、思いだすだけでも……」

・フリル「……やっぱり下品だわ。あんな娘、やってやりなさい!!」

フリルの指示で恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズが飛びかかってきた。

・蜜柑「!!」

スッ。

蜜柑は懐からふたつの鉄の扇子を出し両手に持った。

・蜜柑「般若の舞 不知火はんにゃのまい しらぬい

蜜柑は舞いながら敵達を薙ぎ払った。

・蜜柑「何が恐れ知らずじゃ!わっちが意志を持たぬ人形風情に負けるわけがなかろう!」

敵達は倒れている。

・フリル「……何やってるの?早く立ちなさい。」

フリルの言葉で倒れていた恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズは立ち上がった。

・蜜柑「……なんと下品な色技じゃ。使用者もさぞ下品なのであろう。」

蜜柑はフリルを煽るように嘲笑した。

・フリル「おい、今なんて言った?!!ビオラ様が下品だと!!ビオラ様を愚弄するか!!!」

フリルは激怒した。

フリルは色技でリボンを出してクルクルと回しだした。

・フリル「波乱ラッフル

フリルのリボンがうねりながら蜜柑を襲う。

蜜柑はリボンを扇子で弾こうとするがそれを交わして蜜柑の手首にリボンが巻きついた。

・蜜柑「くっ!」

蜜柑はすぐさま反対の手の扇子でリボンを切ろうとする。

しかし反対の手首にもリボンが巻きついた。

フリルは味方にリボンを持たせて反対側から攻撃をしてきたのであった。

・フリル「大波乱ラッフル ワッフル

フリルのリボンが首に足に体中に巻きついた。

蜜柑は動けなくなってしまった。

フリルは蜜柑に近寄った。

・フリル「おやおや、何と下品な姿なこと。ビオラ様は美しいと訂正すれば楽に殺して差し上げますわ。」

フリルは笑いながら言った。

蜜柑は振りほどこうと動いた。

すると

タラー。

リボンが巻きついているところから血が垂れてきた。

・フリル「おっと、あまり動かない方がいいですわよ。そのリボンは私の色技で限りなく薄くしてるわ。鋭利な刃物が巻きついてるとでも思った方がいいかしら。」

・蜜柑「うふふふふふふふ。」

蜜柑は不敵に笑いだした。

・フリル「???」

・蜜柑「美しい?……そんなもの可愛いには決して勝てないのじゃ!!可愛いは正義!!すなわちねぇたまは正義!!いや!ねぇたまは女神なのでありんす!!」

・フリル「…………」

・フリル「貴方とは分かりあえなさそうですわ。でもこの滴っている真っ赤な血は少し美しいと思えるわ。だから下品な貴方が美しくなれるように甚振って殺してあげますわ。」

・蜜柑「ふん、勝手にするのじゃ。この阿婆擦れが。」

・フリル「(ピキッ)」

フリルの表情は苛立ちと激怒で染まる。

パンビラの古城 2階

ガンッ!ドンッ!ザンッ!

長い廊下にたくさんの恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズが。それをアーリスとレインはバタバタと倒して行く。

ドゴーン!!

アーリスは部屋の扉をぶち破る。

・アーリス「ここにも居ないね。」

・レイン「ちっ!この階は探しても無駄みたいだな。」

・アーリス「ドラキュラは何処に居るんだろう?」

・レイン「どうせ最上階だろ。ああゆう根暗なやつは高いところを好むんだ。」

・アーリス「じゃあ一気に最上階まで行く?」

・レイン「ああ、そうした方がいいだろうな。」

・アーリス「よし!!じゃあ!競走だ!!!」

アーリスはいきなり走り出した。

・レイン「あっ!!てめぇ!!!」

・アーリス「お前には負けないもんねー!!」

アーリスとレインは階段を一気に駆け上がる。

最上階 5階

・レイン「ここが最後の階か……」

・アーリス「いるね……」

・レイン「ああ。」

遠くには1つだけ扉が見える。その扉の隙間からは冷気が漏れていた。

・レイン「行くぞ。」

・アーリス「うん。」

アーリスとレインは扉に向かって走り出した。

ドゴーン!!

二人は一緒に扉を蹴破った。

・アーリス「寒っ。」

部屋の中は至る所が凍っており冷気が漂っていた。

そこにはビオラ ドラキュラの姿があった。

・ビオラ「おや、思ったよりも早かったですね。」


69話 地下室

パンビラの古城 地下

・モルト「ここですね。閉ざされた地下室は。」

・トリカ「怪しいですね。かなり厳重です。武器庫かなんかですかね?」

・モルト「どうですかね。開けてみないとなんともです、ね!!」

モルトはピストルでドアの鍵を壊した。

・モルト「トリカさん気をつけてください。時間がないので荒っぽくなりましたが、今の音で敵は気づいているはずです。」

・トリカ「ええ。分かりました。」

・モルト「それでは開けます。」

ギィィ。

重たい扉が開く。

・モルト「これは!……」

・トリカ「森?というよりジャングル?それにしても外と大違いで暑いですね。」

トリカとモルトの前に現れたのは植物が生い茂る巨大な温室だった。

キラッ

・モルト「危ない!!!」

モルトはトリカに飛びついた。

モルトとトリカは地面に倒れる。

シュッ!!

・モルト「銃弾です!!走ってください!」

トリカ達は走った。

するともう一発の銃弾が飛んできた。

バシュン!!

銃弾は地面にめり込む。

トリカとモルトは木の陰に隠れた。

・モルト「怪我はないですか?トリカさん。」

・トリカ「大丈夫です。すみません、助かりました。」

・モルト「相手はスナイパーです。」

スチャッ

モルトはスナイパーライフルで弾が飛んできた方向を見た。

・モルト「やはりもういませんね。」

・モルト「私もスナイパーです。だから分かります。敵はかなりのやり手です。」

・トリカ「なぜそう思うのですか?」

・モルト「一度銃弾を放ってからそこに滞在することなく必ず移動するからです。これは相手に隠れている所を悟られないようにするためです。そしてその証拠に一発目と二発目の弾の軌道の角度が変わりました。」

【ナバコ ドラキュラ】Ⅲ翼吸血鬼ヴァンパイア サードの一人

・ナバコ「う〜ん。オイラの弾をかわすなんて。しかも二度も。やるな〜。でも、ほら!見えちゃってるよー」

ナバコはスコープを覗く。

トリカ、モルト サイド

・トリカ「なるほど。では、何となくで大丈夫ですので相手のいる方向は分かりますか?」

・モルト「なんとなくですか……そうですね、まずはこの地形ですね今私たちがいるこの少し開けた場所と。あちら側の隠してはいますが明らかに狙撃しやすそうな木がいくつか有ります。これを逆手にとりこうやって……」

モルトは服を脱ぎ木の陰から出した。

すると

パシュン!

その服目掛けて銃弾が飛んできた。

・モルト「ほら。この方向ですね。」

・ナバコ「くっそー!ブラフかよ〜。」

・モルト「この手は一度しか引っかからないでしょうが。でも所詮温室育ちということです。」

・トリカ「ありがとうございます!!では次はこちらの番です。一気に距離をつめますよ。」

・トリカ「猛毒槍ポイゾナス スピア

トリカは大きな槍を弓で放った。

ズゴゴゴゴゴゴ!!!

槍はジャングルの木をなぎ倒しながら飛んでいった。

・ナバコ「おいおい!!それはずるだろー!!」

ナバコは槍を辛うじて交わすが少しだけかすった。

・トリカ「見つけました!!モルトさん!行きますよ!!」

トリカとモルトは走った。

・モルト「凄い技ですね。」

・トリカ「ええ。でも大量の色素を消費するので乱発は出来ませんし、あまりスピードも無いのでなかなか当たりません。使えるのも後一発ってところでしょう。」

トリカ達はナバコの元に辿り着いた。

・トリカ「もう逃がしませんよ。」

・ナバコ「そっちのお前、スナイパーだろ〜?通りでオイラの弾は当たらないし、居場所も見つかるわけだ〜。スナイパー同士がかち合うのも珍しい。それにお前も遠距離タイプだよね〜。」

・モルト「2対1です。大人しく降参してください。」

・ナバコ「う〜ん。でも〜オイラが得意なのが遠距離攻撃だとは言ってないよね!!」

ガチャ

ナバコは色技でショットガンを出した。

・モルト「やばい!!」

・ナバコ「へへ!!爆発拡散弾ダイナマイトツリー

トリカとモルトを無数の銃弾が襲う。


70話 対面

パンビラの古城 1階

・桂「くそ!こいつらキリがねぇな!!」

桂は恐れ知らずの人形隊フィアレス ドールズを倒しながら言った。

・アルテミシア「大丈夫?なの。ダンデ。」

・ダンデ「う、うん。」

・アルテミシア「ボク達はサポートに回るなの。」

・ダンデ「う、うん!みんなこっち!この角を曲がれば!あ、あった!あの大きな扉が大ホールに繋がってるんだ!」

グラジオラス達は大ホールの扉を見つけた。

・グラジオラス「開けるよ。」

・桂「おう。」

ギィィ。

重い両扉が開く。

扉を開くとそこには大ホールが有り、直ぐに目に入ってきたのは大きな異形な形をした天井から鎖でぶら下がっている豚の貯金箱だった。

・桂「あれが……」

すると急に

バンッ

スポットライトの明かりが一箇所を照らした。

照らしたのは囚われている櫻子の姿だった。櫻子は天井から鎖で吊るされた籠に入れられていた。

・グラジオラス「櫻子ちゃん!!!!!」

グラジオラスは叫ぶ

・櫻子「……」

櫻子の応答はない。

次の瞬間

ババババン

部屋中のたくさんの明かりがついた。

その明かりで縁紅 弁慶の姿が現れた。

・弁慶「おや?レイン殿が来ると思っていたのでしが……あなたでしたかグラジオラス殿。」

・グラジオラス「べんけーーーーーーーい!!!!」

グラジオラスは勢いよく走り出した。

ガキンッ!!

グラジオラスと弁慶の刀が交わる。

・弁慶「貴方では我には勝てないでしょう。」

・グラジオラス「お前は絶対に許さない。」

グラジオラスは後ろに跳び弁慶から離れた。

・グラジオラス「瑠璃!!!!」

・グラジオラス「影沼、影弄、朧」

グラジオラスは幻影を出して一人は正面からもう一人は弁慶の影から挟み撃ちをした。

・弁慶「その技は知ってますよ。」

そう言うと弁慶は影から出てきたグラジオラスを無視して正面のグラジオラスを攻撃した。

スカッ

・弁慶「おや?」

グサッ

グラジオラスの刀が弁慶の肩に刺さる。

正面はグラジオラスの幻影であった。

・弁慶「ほう。お見事。なかなかの駆け引きでありますな。」

グラジオラスは弁慶から離れる。

・グラジオラス「来なさい。百千蘇芳ももちすおう

フワ〜

たくさんの蘇芳色の鯉が空中を泳ぎだした。

・弁慶「なるほどこれは厄介ですな。」

弁慶の周りにはたくさんの影ができていた。

・グラジオラス「影渡かげわたり

トプンッ。

グラジオラスは百千蘇芳の影に入り込んだ。

影は入り乱れて動いている。

シュッ!

グラジオラスは影から出てきて弁慶を攻撃。

キンッ!

弁慶はその攻撃を防ぐ。

グラジオラスは直ぐさま影に戻った。

次は他の影からの攻撃。

グラジオラスは攻撃を繰り返した。

キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!

・弁慶「速い……」

弁慶は辛うじて防いでいた。

・桂「凄い……あの弁慶を圧倒している。これは……いけるかもしれない!!」

桂、アルテミシア、ダンデは期待しながら戦いを見ていた。

シュッ!!

グラジオラスのスピードが弁慶を上回り、グラジオラスは弁慶の背後を捉えていた。

だがその瞬間

・弁慶「銀銭甲冑ぎんせんかっちゅう

ガキンッ!!!

グラジオラスの攻撃は弾かれた。

・グラジオラス「くっ。」

グラジオラスは後ろへと下がった。

弁慶の姿は硬い甲冑の鎧で覆われていた。

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