第17話
「源氏物語」は、もちろんかなり年代的に古い、平安という特殊な時代の、一種の東洋の神秘?みたいな大河ラブロマンスで、日本というかなり不可思議な成り立ちや条件の風土だからこそ生まれた、「奇跡」かもしれない。
が、worldwide に俯瞰すると、まずヨーロッパ文明があり、プラトン、アリストテレスのアカデミアがあり、エジプトのパピルス、楔形文字の古文書や、メソポタミア文明があり、インダス文明、そういう人類の曙の時代に、いろいろと自然発生してきたのは、かなり生半可ですが、演劇とか、だからその上演のための戯曲だったろうか。
文学めいた営みの濫觴?は、ギリシア悲劇、あるいはオデュッセウスというような、ホメロスに代表される叙事詩?そういうものが始祖鳥みたいなそもそものプロトタイプ、起源として存在した…かなりいい加減だが?ボクの認識です。
全く門外漢で、読書も不十分で、歴史めいたことに言及するのに無理がありますが、イマジネイティヴに俯瞰して、やはり文明や社会の変遷と、芸術、文学も基本的に軌を一にしていたでしょうか。
で、ずっと初めのところで、「世界の文学100選」を、紹介したですが、ちょっと見直すと、どうしても時代が若いのは冷遇されるというか、近年のものほど評価が高い、そういう偏りはあるみたいやが、書名に全く見覚えがないというのはごく少数で、名前だけは知っているという名作が多い。
が、例えば「失われし時を求めて」を、実際に読んでいる人はごくまれだろうし、いても必要のある人とか、よほどにヒマな好事家で、内容をよく理解しているとなるともっと限られた文学通だけかな?とも思う。
やむなく「響きと怒り」(フォークナー)を、読んだことあったですが?高尚たる所以も意味もよくわからないが、課題にこの小説を選択した文学の先生はなんとなく?理解していたのかと思う。
穿った言い方?だが、PKディックや、ティプトリージュニアなどのSFではなくて、正気の純文学の人がこういうことを大真面目に書いたのが、エポックメイキング?なのかも?しかしこういうのはよくわからない。狂人の領分だろう…
浅田彰氏の「構造と力」が話題になった年に、これも最初のほうで言及した中島梓さんが「わからんこと書いとる」と、評して?議論になったことがありましたが、これもつまり、ニーチェのいう「人類への呪い」、あるいは芥川の「悪魔祈禱書」の中の滑稽なジョークの類でしかない…そう棚上げすべき、されるべきなのだと思う。
たぶん、「カラマゾフ」の、クライマックスにもあるような、そこは「究極のタブー」なのではないか?
それこそが、人類の、CROSS、もっと言えば「宿痾」… なのだろうか?
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