第7話

 時間が経っても、やっぱり助けに来てくれなかった。


 「可愛い顔をしているのね」


「ひぃー」


今でも思い出す。あの男・・・


周りを見ると、他にも連れられて男の子が居たみたいだった。


 その子達の顔を見て、ここ何日も、下手したらこれから永遠に居ないといけないのかもと思っていた。


 だが、


 「助けに来たぞ!あー、居た!えっと」


「あら、可愛い子・・・あ!!ひどい」


 彼は迷いなく蹴りを入れて、そして男を殴り救助が来るまで戦ってくれた。


 「あ、あのありがとう」


「いいよ。それより君こそ無事でよかった」


同じ学年なのは知っている。だけど一緒のクラスになったこともないし、名前も分からない。


 きっとそれは彼もだ・・・


 「なんで助けに来てくれたの?」


誰も助けになんて来てくれなかったし、知らない俺なら特に


 「・・・え、困ってる人が居たらむしろ助けないの?」


 俺はそんな根からのヒーローに憧れた。

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