第二章まで

 わずかに残された希望が潰えました。


 やっと人が死んだのに死体がない。


 作中のセリフとかで殺した死んだだけ言っててただでさえフワフワなのに何にもない、まさしく空です。


 殺害方法も一人目は不明で爪っぽい何かだけ、二人目は話だけの絞殺と、わざとなのか決定的な殺人の証拠がない。ベタな表現ならば血のついたナイフの一本でも持ち歩けばそれでスッキリくるのにやらないからスッキリしない。ただ赤い血を流すと青が汚れると言うのではあれば、まぁまだ納得はできるのかもしれないかも?


 一応、猫の轢死体は出てくるのですが、なんと言うか、清潔なんです。


 横向きに倒れていてボロボロのビニールみたい、みたいな表現こそしてますが、それだけで、少なくとも実写の映像が目に浮かぶ感じではないです。


 曰く、イノシシやタヌキがよく死んでる地域らしいのでその中で猫だとわかる程度に原型を留めておきながら一眼でしたいだとわかる損壊、都会ならば猫せんべいとか言うやつになるのですが、そういった生々しさが皆無です。


 てか、臭いがない。


 血の臭い、腐った肉の臭い、出せなかった糞の臭い、書けば一発です。


 ですが書かない。


 青くて清潔な世界にこういった人が嫌がるような表現は似つかわしくないと言うことでしょうか? だったら猫殺すなよともなりますが。


 こういった清潔すぎる綺麗事も、私がブルセラ文芸嫌いな理由の一つです。


 で、内容ですが一応、話としては進んでいるのですが、個々にぶつ切りでつながりが薄く、なんだかなーと。


 主人公の心境もシーン毎に断絶されていて、あれだけ驚いていた割に動揺の持続時間が短いなぁと。男の子の言うことにあっさりと従い過ぎて自己のない、本当に空っぽなヒロインとなっています。


 言われるがままに犯罪に片足突っ込む感じはホストに貢ぐために振り込め詐欺に手を貸す女子中学生っぽくて、そう見ると空っぽな感じは理にかなってるのかもしれません。


 ただ、男の子の方も、なんか空っぽなので、何にも考えてないのが正解っぽいです。


 ミステリアスと書けばなんでも許されると思っているのか、男の子に関する情報が小出しな上に説明不足、そしてヒロインの見てないところで話が進んでいるから、本当に空気っぽいです。


 わざわざホテルで別々の部屋借りてるのに朝にはベットサイドにいたとか、整合性というのは存在してないです。これで実はヒロインの妄想上の存在でしたーやられても驚かないボロボロです。


 これが若さなんでしょう。


 それでようやく次からが裏表紙より先の本編です。


 やっとのスタートです。


 三章、なんかやたらと長いので更新遅れるかもしれません。

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