【3thこえけん】幼なじみはオシオキがしたい ~幼なじみが僕に仕掛ける、ちょっとエッチで不思議な罰ゲーム~

マクスウェルの仔猫

第1話 ほのか、襲来。


 ふう、やっと着いた。

 ああ、外暑かったなあ。


 汗で張りついたシャツが気持ち悪い。そして部屋の中がほんのりと涼しくって、上半身が悲鳴を上げている。風邪ひくわ。ほのかがつけたんだろうな。


 そう。


 目の前でほのかが制服のまま、ベッドですやすやと寝ている。そういえば今日は登校日だって言ってたっけ。いや、登校日だからって僕の部屋に来る必要があるのか?


 ここんとこほぼ毎日だ。姉妹で僕の部屋に入り浸りやがって……まあ家族同然の妹分達だからついつい甘やかしてしまう僕が悪いんだが。


 めちゃめちゃ幸せそうに寝てるよこの人。まあ、起こすのも可哀そうだから放っておくかな。

 

 ほのかと葛が僕の部屋の合鍵を作って持っている事がバレてからは堂々と来るようになった。いや君たち事案だぞ、それ。おかげさまで実家にいた頃の僕の部屋と変わらんじゃないか。


 いや、違うか。


 二人の私物がいつの間にか増えている。私服から始まって、食器、パジャマ、歯ブラシにお風呂セットが二人分。まるでゲームのパンデミックを体感した感じですよ。


 ……そのうちにツテで安く借りることができたこの部屋に引っ越してきそうな気がして怖い。やめて。


 まあ、僕も結局甘やかしてしまうからいけないんだろうけど。小さい頃からの大切な妹分達の嬉しそうな顔を見ると、僕だって嬉しい。


 ……僕を追いだしたりしないよね?

 しないでね?


 ま、冗談はさておき。

 シャワー浴びよ。

 

 この暑さ。


 連日、これだもんなあ。外での運動を控えましょう、どころか部屋の中での熱中症対策が呼びかけられる毎日。マジで今年の夏はヤバい。


 少し体を動かしたくなって午前中だけサークルに行ったけど失敗だった。合宿だったの忘れてた。伊豆だったかな? 何で僕が合宿日を知らないんだ、という事は忘れよう、うむ。


 

 ……ふう、スッキリした。ほのかが風呂場に突撃してきそうだから静かにサラッとシャワーだけだ。


 ほのかと葛、僕が一人暮らしするようになってからは前よりももっと一緒に風呂に入りたがるようになった。いやいやいや、君たちはもう小学校低学年じゃないんだよ?


 恐ろしい。


 二人で風呂場に突撃してきた時はマジで心臓が止まるかと思った。それでビックリして、きゃああ! とか叫んで逃げだして慌てて着替えたら、二人にめちゃめちゃ説教されたし。何でやねん。


 というか二人してお兄ちゃんをからかうの、やめてもらえませんか……。


「ふああ~……あ、お兄ちゃんお帰りなさい。ん。ぎゅ」

「ん、じゃない。当たり前のように唇を突き出さないでくれ」

「けちー。じゃ、やっぱぎゅうして?」


 けちじゃないから!

 全く、油断も隙もない。


 ハグして背中ポンポンくらいなら、まあいつもの事だしいいけどさ。お兄ちゃんは、可愛く両手を伸ばすしてくる甘えん坊の妹分に弱いのです。


「いい匂い……お兄ちゃん、ほのかにナイショでお風呂に入ったでしょ! 何で起こしてくれないのぉ?」

「何故自分ちの風呂に入るのにほのかの許可がいるの?!」


 確かに今やほのかと葛がこの部屋のヌシみたいになってる感はあるけども、風呂ぐらい自由に入らせてくれ。


「そしたら一緒に入って、ほのかがっきさせてあげたのに!」

「だから一緒には入らないってば! 小さい頃とは違うんだから」


 起っきという言葉には触れない。エッチな話題に繋がっていって、ほのかのペースに持ってかれてしまう。ふふふ、お兄ちゃんは同じ過ちを繰り返さないのだよ。


「そうだねえ、お兄ちゃんはめちゃめちゃおっきくなったしね」

「……? ここ二年くらい身長伸びてないぞ?」

「お兄ちゃんが寝てる時、ほのかはそんなゴリゴリさんを可愛い可愛いしてると我慢ができなくなっちゃうんだよ? ……えいやっ」

「何の話…………え? のわあ!」


 ちょっと!

 お腹に乗らないでえ?!

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