盲目の窓の向こうには愛を
@sigule
第1話
ある病院に盲目の少年が居ました。
少年は事故で視力を失いました。少年は絶望して感情を失いました。そんな時
「ねね!私の名前は『花宮 梨沙』少しの時間だけどよろしくね!」と少女が話しかけてくれました。
「…」
何もかもどうでもいい、
「あなたのお名前は?」と少女が問いかけてきました。
「…『三上 蒼真』、」
なんで名前を聞いてくるんだろう、まぁ、どうでもいいや
「蒼真くんね!私は15才!蒼真くんは?」
梨沙とゆう女は色々な質問をしてきた。うるさいなぁ、
「…うるさいから静かにしてくれる?」
「ご、ごめんね!つい嬉しくて、」
ウレシイ?ってナニ?この人に聞けばわかるか、
「ねぇ、ウレシイって何?」
「んー、なんだろう?晴れ晴れとした気持ちかな?」
なにそれ、意味分かんない
「…そう、」
と蒼真くんは寝てしまった。私は花宮梨沙、病気で病院に入院していて退屈だったけど蒼真くんがやってきた青みがかった髪に瞳のラピスラズリの瞳にはハイライトが無かった、感情を感じなかった。
だから私は話しかけた。
気になった蒼真くんを見ると胸が苦しくなった。ドキドキした。この気持ちはなんだろう?
あれから数日が経ったあの女は毎日話しかけてくる、鬱陶しい、
「ねぇ、何で毎日話しかけてくるの?鬱陶しいんだけど」本当に鬱陶しい、でも、心のどこかで嫌じゃない自分も居る。
「それはごめんねでも、!私は毎日蒼真くんとお話したい!」これは本音、蒼真くんと話していると絶望していた感情が明るくなる。私はもう、長くないから
「…そう、」と、蒼真くんはそっぽ向いて寝てしまった。
蒼真くん寝ちゃった、…!そうだ!いいこと思いついた!
…次の日
「おはよう蒼真くん!これプレゼント!」
喜んでくれるかな、
「コレって何?」
いつもより声に元気がない…あれなんで俺コイツのこと考えているんだ?
「あ、そうだったねごめんね、はい!ミサンガ!付けてあげるね!ミサンガにはね願いを込めると叶うんだって!私はね蒼真くんに目が治りますようにってお願いしたの!」
「ん、」
そんなお願いしても神様は治してくれないよ、
蒼真くんが嫌がらなかった!良かった、
「!、ありがとう!」
「なんでお礼言うの?意味分かんない、後なんで今日少し元気無いの?」
純粋に気になった。
「あはは、笑これ作るのに時間かかっちゃって、夜中までやってた笑蒼真くんが喜んでる姿が見たくて!」
…は?
「そんな事の為に自分の睡眠時間減らしたの馬鹿なの?自分が体調崩すことを考えなかったの?」
意味分かんない!俺の事なんかほっといていいのに、
「心配してくれてありがとう、でも大丈夫!私元気だから!」
俺今、コイツのこと心配してたの?
「俺今お前の事心配してたのか?」
知りたいこの感情を、!
「心配してくれなかったらあんなに怒ってくれなかったよ!だから本当にありがとう!」
蒼真くんが前より喋るようになりました!でも、まだ名前で呼んでもらえない悲しい泣…!
「蒼真くん!私の事梨沙って呼んで!」
何だ急に?やっぱコイツ意味わからんな、でも、俺から話しかけたりした事無いよな、何を話せばいい?分からない、前の記憶もないどうすればいいんだこんな時、…!
「な、なぁ、花宮、今日の空の色は何色だ?」
どんな色だろうドキドキする、
「!えっとね!蒼真くんと同じ瞳の色!」
俺の瞳と同じ色?何色だろう気になる
「何色なの?」
「夜の空と同じ色でとても綺麗なの!」
蒼真くんのラピスラズリの瞳に少し光が見えた。
とても綺麗だった、
「綺麗、」
「?なにが?」
「んーん!なんでもない!それより窓を見て!鳩が沢山居るよ!おじぃさんが餌やりをしているみたい!あ笑鳩がおじさんの頭をつついて餌だと思ってる笑」
「なんだそれ笑おじぃさん可哀想笑」
…!蒼真くんが笑った!素敵な笑顔!ずっと見ていたいなぁ、でも、神様はそれを許してはくれない、
…次の日
「おはよう!蒼真くん!」
「…おはよう花宮、」
!名前で呼んでくれるし挨拶も返してくれた!今日はいい日になりそう!
「…!ねね!蒼真くん!窓を見てちょっぴり太ったおじさんがお昼ご飯食べようとして鳩に食べられてる笑」
「笑笑そのおじさんどんまいだな笑」
ここ数日で、蒼真くんの笑顔も増えたとっても嬉しい!
でも、私の時間はすり減って行く、蒼真くんにはバレたくないな、笑
「なぁ、花宮お前は何で入院しているんだ?」
蒼真くん、嫌なとこつついて来るね、笑
「私はね…心臓病なの、だから後5年しか生きられないんだ、それに絶望してた時に蒼真くんと出会って生きる希望になっているんだ!」心臓病、心不全により入院した患者の1割弱が入院中に亡くなる、心不全と診断されると5年以内に半分が亡くなる、最近記憶を思い出してきて俺、医者になりたくて勉強していたんだ。どんどん記憶が湧いて出てくる頭が痛いッ
「!ッ」
痛い痛い痛い痛い痛い
俺はそのまま倒れた。
蒼真くんが急に頭を抱えて倒れた私は急いでナースコールをした。蒼真くんは軽い頭痛に襲われたそうだ。
あれから数日蒼真くんは起きない
早く起きてよ、そうじゃないとお話出来ないじゃない、
蒼真くんを考えると胸が苦しくて痛いよッ
「んぅ?ここは、そうか俺凄い頭痛に襲われて倒れたんだ。…?花宮、どうして泣いているんだ?」
「だって蒼真くん全然起きなくてもしかしたら一生起きないかと思ったりしてさッでも、おかえり蒼真くん!」
なんだろう胸が暖かくなる、どうしてだろ?
「…ただいま、花宮俺さ、全部記憶思い出したんだ俺の夢は医者になる事お前の病気も俺が絶対に治す!」
「そっか、ありがとう!」
花宮は泣きながら俺に抱きついてきた。俺は黙ってさすってあげた。
「そういえば蒼真くんって何歳なの?私の考えでは同い年くらいに見えるけど、」
そういえば言ってなかったな最初の頃は記憶がなくてなんも喋らなかったしな笑てかそういえば、
「今日で18歳」
…ゑ
「え?!今日誕生日なの?!6月20日?!」
「そんな驚くこと?笑もう祝ってもらう歳でも無いし笑」
「驚くことだよ!早くお祝いしよ!お母さんがケーキ屋さんだから今から電話してくるね!」と、花宮はもの凄く早く走って行った。
「おい!走ったら心臓に悪いぞ!」遠くから
「ごめんー!」と、聞こえた。まったく、でも、嬉しいな初めて人にお祝いされるな、俺の親は海外で仕事をしているから毎回祝って貰えなかった。
それが普通だと思っていたからだから少し今日はワクワクする。
「ただいま!お母さんがいいよ!だって!お母さんケーキは世界一美味しいよ!後お父さんはシェフなんだよ!今日はご馳走だよ!早くナースさんに言って外出許可貰お!」
凄い勢いだな笑
「おかえり笑分かったから笑少し落ち着いて俺の杖何処にある?」
「此処にあるよ!はいどうぞ!」
「ありがとう」
俺たちは医者とナースに許可を貰い。
花宮の家に向かった。
「ただいま!お母さん!お父さん!」
「お、お邪魔します。」
「ようこそ我が家へ!僕は梨沙の父蒼太です。」
「同じく母の美幸です。」
「君が蒼真くんだね!電話でいつも君の話ばかりしているよ梨沙は笑」
「そうそう笑」
「ちょっとお父さんお母さん!それは言わない約束でしょ!」
「おっとすまない笑久しぶりに梨沙の顔を見れて嬉しくてな、笑」
久しぶり?そういえば、病院で梨沙の父と母に会った事がない、どういうことだ?
「もういいでしょ!蒼真くん!私の部屋行こ!」と、考えていると花宮がはなしかけてきた。
「わ、分かった。」
知らない家だから気おつけないと、
「はぁ、言わないって約束したのに、お父さんもお母さんも馬鹿!」
「そんな事言わないのねぇ、なんで今まで親と面会しなかったの?」
「蒼真くんになら言ってもいいかな、私ね蒼真くんが来る前まで病名と余命聞かされて絶望して誰とも話す気力が無かったの、そんな時に出会ったのが蒼真くん!蒼真くんは知らず知らず人を助けているよ!」
「そんな事言って貰えると嬉しいな笑」
「「笑笑」」2人で笑っていると
「梨沙ー?蒼真くんー?ご飯出来たわよー?」
「はーい!蒼真くん行こ!」
楽しだな、誕生日会、!
「うん!」
「蒼真くん!お誕生日!」
「「おめでとう!」」その時俺は泣いてしまった。梨沙達は俺を黙ってさすったり抱きついたりしてくれた。暖かい、
「今日は色々ありがとうございました!ご飯もケーキもとても美味しかったです!」
「それは良かった!またいつでもおいで!」
「いつでもいらっしゃい!」
暖かい家族だな、
「お父さんお母さん『またね』!」
「ッえぇ、またね」
梨沙のお父さんとお母さんは少し悲しそうに梨沙を見つめていた。
「じゃあ帰ろっか!蒼真くん!」
「…うん」
多分病気の事と余命宣告の事だろう、俺は胸が苦しくなった。なんだこの気持ち?分からない、でも、絶対花宮の病気は俺が治す!まずは自分の目を治そう!
「なぁ、花宮俺リハビリ頑張って早く治して梨沙の病気を治すよ!」
「…うん!」
私は嘘を着いている余命は後3年、
リハビリを初めてから少しずつ目が見えるようになってきた。
少し見えるまでに半年もかかった、逆に梨沙は病気が悪化して行く一方だ早すぎる。
最近は発作を起こすばかりだ。
「梨沙、俺に何か隠していることはあるか?例えば余命とか、」
お願いだからこの例えが嘘であってくれッ
「…蒼真くんは私の事よく見てるねそうだよ私の余命は後…2年半だよ、だからね蒼真くんが医者になっている時にはもうこの世には居ないんだ、笑…ごめんね、嘘ついて」
「嘘であって欲しかったッ離れたくないよ梨沙ッ…好きだよッ」
「!私も、私も死にたくないよッずっとずっと蒼真くんと居たいよッ大好きだよ蒼真くんッ」
「なぁ、一つ考えがある梨沙、一緒に死なないか?」
「…!蒼真くんが居るならいいよ!」と笑顔で了承してくれた。
あの世でずっと一緒に居ような
俺達は窓のふちに座った。
「準備はいい?蒼真くん!」
「うん!愛してるよ梨沙あの世でずっとずっと一緒に居ような」
「ッうん!」
俺たちは飛び降りた。
赤い血が床を染めていったでも、2人の顔は穏やかだった。
MERYBADEND
盲目の窓の向こうには愛を @sigule
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