第38話 ナンパしたらダメだったんですか?

「おてて~つないで~」


「やめてください。アラウンド……」


「女性に、彼女に言うセリフじゃないね?」


「すびまぜん」


口をぎゅっとするのやめてほしい。てか人多くなってきたから手も離してほしい。てかこの人仕事場の人に見られたらとか思わないのかな?


「じゃあ駅についたね。」


「この時間は混んでるな………嫌だわ……」


「りゅうたんは人混み嫌い?」


「好きなやついないでしょ?」


そんな奇特なヤツいないだろ。


「さぁ、乗ろう!あ、私はピッがあるから!」


「じゃあ俺切符買ってくるんで。何円か教えてくれません?」


「大丈夫?」


「何が?」


「1人で切符買える?」


「人を何歳だと思ってるんすか?」


あぁ、邪魔くさい。邪魔くさい。何故にこんな朝に人の仕事場に行かないといけないのか。何故にこんなに並ばないといけないのか。


「はぁ………朝から疲れる………」


音楽でも聞いて待とう。



5分後。ようやく切符が買えた。さ、あの人のとこに………あれ?


「お姉さん!めちゃくちゃ美人っすね!」

「俺たち意外とピュアなんすよ?で意外と金持ってるんすよ?どうすか?今からカフェでも?」


うわっ、朝から元気だな。チャラそうな2人の男どもにナンパされてる。まぁ、見た目だけはいいからね。あの人。見た目とスタイルはいいからね。マジで。


「ナンパの対処とかしたことねーよ……マジで。」


はぁ………朝から疲れる、また疲れる。まぁ声かければ何とかな


「あの~切符買えま」


「消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫消えろクソ虫」


「え?」


死んだ目で連呼していた彼女は俺を見ると目を輝かせ………


「もう!りゅうたん遅い!さっ!行くよ!」


「え、あ、え」


2人組の男は放心状態だった。

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